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小林よしのり
2024.1.24 10:59日々の出来事

インド版アニメ『おぼっちゃまくん』シナリオライターの皆さんへ。

茶魔の話づくりは圧倒的に難しいです。

茶魔は大金持ちで、お助け軍団という人材がいる。
この2要素があれば何でも出来ます。
早い話が、目的を達成するために障害になる人物は、
全員買収すればいいわけです。
都合のいい人物を続々でっち上げて雇えばいいわけです。
超能力者を何人も雇って、使用すれば茶魔は何もせずに
目的を達成できます。

その罠に嵌まると、超ご都合主義な話が出来て、
全くつまらなくなります。
「現象」だけを見せられると、退屈なだけで、
何のカタルシスもありません。

やはり人間なのです。
茶魔の「キャラクター」がメインで、付属する金や人材は、
キャラを活かすタイミングで出すべきなのです。
これは『おぼっちゃまくん』の原則です。

まず茶魔のキャラクター!
そして、脇役のキャラクター。
茶魔のキャラクターは良い子じゃありません。
甘えっ子で、自己中で、常識外れなアホで、パワフルで、
ずる賢くて、なのに憎めない、可愛い、というキャラクターです。
このキャラクターを存分に活かす設定を考えてください。

現象はダメ!
キャラクターの可笑しみはOKです。

頑張って、またインドでNo.1になりましょう!

 

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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