昨日1/21(日)、東京・八王子市の市長選挙が行われ、自民・公明などが推薦する新人の初宿和夫氏が当選しました。
派閥の裏金キックバック問題で自民党に逆風が吹き、しかも八王子は、その件や統一協会との関係など疑惑の多い萩生田光一衆議院議員の地元。その影響が注目されましたが、最終的には前任者と同じ自公推薦の候補が当選となりました。
やはり壁は厚い…と見えますが、いくつかの数字をチェックしてみると、実に興味深い事がわかります。
今回の八王子市長選の投票率は38.66%。一見すると低く感じますが、前回2020年は31.46%とさらに低く、7.2%とそこそこの上昇になっています。
それによって、投票数以上に得票の割合が劇的に変化しています。
前回2020年の得票数がこちら。
石森孝志(当選)…78,372
白神ゆりこ…47,426
高木順一…15,602
こやなぎ次郎…3,403
3期目に挑んだ前職(自公推薦)が、ぶっちぎりの得票で当選しています。
一方、今回(2024年)の結果は
初宿和夫(当選)…63,838
滝田泰彦…57,193
両角穣…44,913
服部貴之…10,292
かまたたかゆき…2,276
当選者の票の減り方以上に、2位、3位の候補の得票が大幅に伸びていて、かなり拮抗しています!(一方、全体の投票数が上がっているのに、当選の見込みがほぼゼロに近かった層への票は大幅に減っています)。
自民の逆風に加え、私は八王子ローカルの事情は知らないので他にも要素があるかもしれませんが、投票率が7%程度上がっただけで、ここまで大きな変化が生じています。
同じ当選でも、ぶっちぎりのトップ当選と、気を抜いたら次は危うい!という拮抗した状況とでは、政務に対する緊張感も全く変わってきて「有権者をナメた真似」などは出来なくなるでしょう。
これ、素直に「とても健全な状態」じゃないですか?
国政にしろ、自治体ローカルにせよ、毎回8割ぐらいの投票率があったら、政治に漂う緊張感が明確に向上するのではないでしょうか。
「入れた候補が当選しなければ無意味」ではないんです。得票が拮抗すれば、与党や現職に対する「ナメた真似したら次は無いぞ!」という意思表示になりますし、野党や、初&再チャレンジする候補者にも「可能性はある!」というモチベーションになるでしょう。
ここの所何度か書いてきたように、現行の選挙制度の不具合は対策が必要だと思います。しかし、制度を変えても投票率が低いままだったら、結局は元の木阿弥です。
公の毀損を防ぎ、適切なアップデートを交えながら、社会の安定した継続と発展を目指すのが保守の本懐であるなら、投票率の向上に大きく注力する必要がある(当たり前のようだけど、印象以上に効果が大きい!)という思いが強くなってきました。
ではもう一つ、「投票に行きましょう」を、小学生のポスターコンクールの標語みたいなものに留まらせず、国民全体のエモーショナルな気運とするには何をしたら良いのか。
これは、漠然とした危機感や嘆きより、積極的にトライ&エラーを行える具体的なアイデアが無限に出て来そうです。引き続き、そういった内容も書いて行きます!