上皇陛下がかつて、日本人が忘れてはならない
“4つの日”があるとおっしゃっていたことは、
よく知られているだろう(昭和56年8月7日、皇太子として
夏の定例記者会見にて)。終戦記念日(8月15日)と広島·長崎への原爆投下の日
(同月6日·9日)、更に沖縄での組織的な戦闘が終結した日
(6月23日)だ。上皇陛下は平成時代、終戦記念日の全国戦没者追悼式への
ご臨席だけでなく、他の3つの日にもご自身で黙祷を捧げて来られた。
ところが、令和の現在、今上陛下は“6つの日”に黙祷を捧げておられる。先の4つの日に加えて、阪神淡路大震災(平成7年)が起きた
「1月17日」と東日本大震災(平成23年)が起きた「3月11日」だ。先ず後者については、一般には余り知られていないと思うが、
既に東日本大震災の翌年から、つまりまだ皇太子だった頃から、
同日の黙祷を続けて来られている。これに対して、前者は令和2年、つまり即位されて
初めて迎えられた同日から、黙祷を始められている。これは、上皇陛下が平成27年に阪神淡路大震災20周年の
追悼式にお出ましになった後、その翌年からご自身のお気持ちにより
黙祷を始められていたのを、「天皇」の“務め”としてしっかりと
受け継がれたものだ(3月11日の黙祷は、上皇陛下は東日本大震災
5周年追悼式の翌年=平成29年から始められている)。これらの日には、皇后陛下と敬宮殿下もご一緒に、黙祷されている。
悲しみの日々を胸に刻み、国民に寄り添われるお気持ちの表れだ。令和3年の場合、天皇·皇后両陛下は国立劇場で行われた
東日本大震災10周年追悼式典にご臨席になられ、当時お住いだった
赤坂御所では敬宮殿下がお一人で黙祷は捧げて下さっている。上皇·上皇后両陛下におかれては、今も上記6つの日の黙祷は
欠かさずに続けておられる(「上皇陛下のご近況について
❲お誕生日に際し❳」令和5年)。秋篠宮·同妃両殿下には、平成29年の東日本大震災6周年追悼式以降、
同31年まで同追悼式典にご臨席され、更に令和2年には阪神淡路大震災
25年追悼式にご臨席下さっている。その他、秋篠宮家において上記の黙祷が行われているとの発表はない。
お立場の違いによるものであろう。【高森明勅公式サイト】
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