さわやか弁護士のゴー(茅根豪)です。
いつも大須賀さんのブログを楽しく読んでます。本日の投稿も興味深く読ませていただきまいた。
でも、なんで村上春樹ともあろう大作家から、変な社会評論が出ちゃうんでしょう?
別に村上春樹氏じゃなくても、知識人(自称含む)や学者、メディア人、何でもいいのですが、一見良いことを言ってるようで、実はぜんぜん間違ってるじゃん!という発言は世に溢れています。
良いこと言いそうなのに、なんでそうなるの??みたいなメッセージは、高名な人物の発言ほどガッカリするし、聞きたくないですよね。
そんなシーンは見飽きたものですが、私がずっーーーーと感じているのは、人は「規範」に拘るのは得意だけれど、「当てはめる」のは苦手だということです。
「規範」と「当てはめ」とは、法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)が日々使っている思考方法です。
法曹三者の場合、扱う「規範」は法律であり概ね確立しています。「当てはめ」についても蓄積があるので、変な「当てはめ」は生じにくくなってます。
ところが、時事問題は違います!
例えば今回のように、、、
「規範」:「しっかり声を上げる、空気なんて読まない、忖度もしない。そういう人たちの存在が、たとえ少数ではあっても僕らの社会には必要」
(47NEWS https://www.47news.jp/10182502.html)
これは、素直に頷けるものです。逆に、「自分が損しないことばかり考えてる人が、僕らの社会には多数必要」みたいな「規範」は、おかしいだろうと分かります。
でもでも、「当てはめ」の段階になると、時事問題では急に難しくなる。
なぜなら全く同じ前例はないから!
大作家の村上春樹氏でも「当てはめ」で失敗しちゃってるのです、つまり次のように。
例:「ジャニーズ問題では、しっかり声を上げる、権力者であるジャニーズ事務所の顔色をうかがうような、そんな空気なんて読まない、そんな権力者に対して忖度もしない。そういう人たちの存在が、つまりジャニーズを厳しく批判できるマスコミやジャーナリストが、たとえ少数ではあっても僕らの社会には必要」
(色文字以外は私が想像で加筆した当てはめの一例)
大須賀さんが批判してるように、真の権力はとっくにジャニーズではなく、批判するマスコミですらなく、全体主義的な空気やその背景にある人権真理教ですよね。いまさら、忖度云々とか、何周遅れなこと言ってんのと言いたくなります。
もちろん、村上春樹氏がラジオで喋った文脈は違うのかもしれません(そのときは撤回して誤ります。当然です。)。しかし、引用で切り取られたところから素直に想像すると、上記のような的外れな社会評論に聞こえるのは無理もないでしょう。
とにかく、社会問題に対しては「当てはめ」が非常に難しいのです。
時事評論は日々膨大に配信されますが、「当てはめ」の巧拙で質が決まると言ってもよいと思います。
まあ、「規範」の段階で「キャンセルカルチャー」を持ち出してる連中は、本当に論外でウンザリですが。逆に、悉く「当てはめ」が的を射ている社会評論漫画はこちらです!
でもでも、皆さん、今度は次の疑問が浮かびますよね。
「規範」で良いものを選ばなければならないのは分かるけど、「当てはめ」って上手くやるにはどうしたらいいのって?
それはまた後日に(さわやか弁護士ゴーより)
今日は深夜ラーメン食べちゃおうかな~