先週スタート、毎朝7時にお届けしている
「ゴー宣ジャーナリスト」は、
曜日ごと7人のレギュラー執筆者の他にも、
多くのゴー宣道場門下生が名乗りを挙げています!
今週からは、そんな意欲満々の投稿からも
随時ご紹介していきます!
皆さん、初めまして、ukiといいます。
仕事で医者と研究をやっており、論文を書いたり、読んだり、査読してます。
コロナのために、普段馴染身のない方も科学論文について意識することもあったかもしれませんが、本日は、「科学論文と公私」について。
2018年ノーベル賞受賞時の記者会見での本庶祐氏の言葉、
「ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、
10年経ったら残って1割だ」
これ、変だと思いませんか?ネイチャー、サイエンスといった著名な雑誌に載るのはごく限られた科学的発見の場合だけ。一流の科学者と言えるはずの人間による発見だろうに、なぜそうなるのか?
確かに、
例のワクチン関係の論文の数々も、まあ大層有名な医学雑誌にバンバン載っているのに、早くも、 へ?ピー△?“■×
ですもんね。
本庶氏の発言を理解する参考として、一つの科学的研究が実を結ぶまでの仕組みを大まかに記載します。ただし、人間の心の声を※で書きます。
1.研究者(たち)が資源を使って研究を行う。(※費やす人、金、時間の苦労が。。)
2.研究内容を、「研究の背景」、「方法」、「結果」、「考察」などからなる論文にまとめ(※きれいな結果よ、出れ!)、雑誌に投稿する。表や図で分かりやすく結果を提示する。
3.編集者(エディター)がある程度内容を見て掲載の価値がありそう(※売れる!)と判断すれば(この段階で掲載拒否も多い。)、内容を理解できる複数の研究者に、審査(これを「査読」といいます)の依頼をする。依頼された学者側を査読者(レビュアー)と言う。
4.査読者は、通常無報酬で内容を審査し(論理的整合性や結果は信頼できるか、妥当な結論か?)、内容についての意見を編集者に送る(※時間ないのにタダ?)。ときに追加の実験・解析を指示する(※私の研究とも合う、推し!あるいは、合わん!)。
5.編集者が査読者の意見をまとめ、「掲載」、「修正」、「却下」の判断を行い、研究者に結果と査読者のコメント(通常は匿名で)を通知する。(※スポンサー気になる)
6.研究者が対応し、1,2を行う(※やっとや。。あと少しで報われるかもしれん。)。
7.編集者の判断が確定するまで3-6を繰り返す。
8.晴れて「掲載」が認められたら、研究の価値が認められたことになり、次の研究資金やポストの獲得に結び付く。評価は一流雑誌の論文ほど高い。
どうでしょう?論文の読者のもとに真実が(あるなら)届くまで、幾多の人間臭にまみれた壁が(笑)。
論文に関わるスポンサー、研究者、雑誌編集者、査読者、、これらの壁に対峙したとき
生活者でもある人間たち全てが、己の「私」から生じるバイアスと戦い、科学的事実・真実の追及に身をゆだねるという「公」の心を保てた、のか??
有名な雑誌でも、いや有名だからこそ警戒すべき問題がある、
ということは想像に難くないでしょう。なんせ蓋開けたら9割嘘と言われてるんだからw
※『査読』に関しては、同じく公論サポーターの基礎医学研究者さんのより詳しいブログがありますのでご参考ください。
https://www.gosen-dojo.com/blog/32822/
いつかの次回は、「図一つ『私』が丸見えよ」です。ご期待ください(^ ^)/
【ukiプロフィール】
40代の関西在住の内科医、研究者。公論サポーター関西支部所属。ゴー宣は受験時代からの読者。哲学・倫理(医療含む)と人間観察、人との会話、自然、美味しい日本の食を愛する。本当は口が悪い。道場設営では受付を主に担当(そこでは口は悪くないですw ご安心ください)。
【トッキーコメント】
「権威」あるとされている雑誌の論文の内側がどうなっているのか?
これこそ、権威主義に陥らずに真実を追求するジャーナリストの目です!
それにしても、「ネイチャーやサイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割だ」と言ってた本庶佑氏が、コロナではPCR検査の拡大を唱え、ワクチンを推しまくっていたということは、皮肉以外の何物でもありませんが…