ジャニー喜多川による性加害を訴えていた「当事者の会」所属の40代男性が、10月に自殺していた件について、その自殺の理由が「SNSによる誹謗中傷」や「旧ジャニーズ事務所が彼の訴えを放置していた」ことであると決めつける報道ばかりで、とても不審に思います。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1ac20defb918c440974e070152ce3ad94be2ab91
この記事によると、男性は今年の5月に旧ジャニーズ事務所に電話で被害を訴えたものの、その後5カ月以上、事務所から連絡が一切なく、9月に再度告発したものの何の応答もなく放置され、焦燥感と悩みは深まっていった、とされています。
10代の頃に性加害を受け、それから約30年、どんな人生を歩んできたのかはわかりませんが、自分の中で折り合いをつけ生きてきたはずで、妻子もいたという男性が、このたった数カ月の間、事務所に対応してもらえないからということで、自殺するほどまでの焦燥感にかられるものでしょうか?
BBCの報道があったのは3月、男性が事務所に被害を訴えたのが5月、その時点で彼が過去、ジャニーズ事務所に所属していたという「在籍確認」は行われ「『担当者が必ず折り返す』旨を約束」したといいます。
その頃には、このジャニーズ問題は大騒動になっていて、次々と「自称被害者」がメディアに登場、5月14日には藤島ジュリー元社長が公式ホームページに謝罪動画を公開しています。
8月には再発防止特別チームが調査を実施し報告書を提出、会見を行っています。
9月7日に藤島ジュリー、東山、井ノ原氏らが出席した記者会見を行い、15日には被害者からの申告を受け付ける補償窓口をウェブ上に設置しています。
10月2日にジャニーズ事務所の2回目の記者会見が行われ、「325人が補償を求めている」「補償は11月からスタート」と発表されました。
このドタバタ急展開の中で、一応「在籍確認」はされていて、救済窓口も設置され、補償も11月から行うとしているのに、「連絡がない」といって焦るものでしょうか??
しかも、下記、AERAの記事によると、SMILE-UP.社はこの男性について「救済委員会からは2回、心のケア窓口からは2回、ご本人に折り返しご連絡していると伺っております」と答えています。
連絡を折り返していた、となると話はまったく違ってきます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/855ae0dffafec5b7eb3c052c8b1901acee31db4d?page=1
そもそも、ジャニーズが男性の死について勝手に発表できるわけがないのだから、「ひた隠しにしようとした」なんて嘘八百で、悪意満載のタイトルです。
それを言うなら、「当事者の会」こそ、なぜ1カ月も会員の死を発表しなかったのでしょうか??
私はそちらの方が腑に落ちません。
そして「SNSによる誹謗中傷を苦に」というのもさも事実であるかのように拡がっていて、その誹謗中傷も、旧ジャニーズ事務所が助長させたとする記事まで出る始末。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/332150
“10.9声明”というのは、「故ジャニー喜多川による性加害に関する一部報道と弊社からのお願いについて」(https://www.smile-up.inc/s/su/group/detail/info-727?ima=5827)のこと。
その声明では「被害者でない可能性が高い方々が本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされているケースが複数あるという情報にも接している」とし、被害者救済のための資金が正しく使われるためにも、「報道機関の皆様におかれましては、告発される方々のご主張内容についても十分な検証をして報道をして頂きますようお願い申し上げます」と書かれています。
証言の内容が真実であるのか、ちゃんと検証してほしい…至極真っ当な声明です。
にも拘わらず、この声明については「被害者の訴えを疑うのか!」と炎上しました。
上の記事でも、「この声明が、ネットの誹謗中傷を助長させたのは想像に難くありません。自殺した男性への誹謗中傷がエスカレートして精神的に追い込まれた。旧ジャニーズ事務所の無責任な声明が被害者を追い詰めた可能性は高い」などと書かれています。
いくらなんでも、こじ付けが過ぎる!!
確かに、自殺したとされる男性は、名前と顔を出してメディアに出ていたこともあり、SNS上ではジャニーズファンから、その発言内容の矛盾や事実関係の誤認等を指摘されたりしていたようです。
SNSですから、中には誹謗中傷する者もいたでしょう。
しかし、発言内容の検証や矛盾の指摘と、誹謗中傷はまったく違います!
それに、X(旧Twitter)を見ていたら、ジャニーズ問題に関するSNS上の流れを見ていた方が、「事務所の声明後に誹謗中傷が増えているような方ではなかった」「むしろ、その頃はこの方もいたこと忘れられかけている感じだった」という意見も書いています。
この方のポストを返信欄含め追っていくと、男性の自殺に関しては、やはりいろんな可能性が考えられるなと思えます。
何も丁寧に調べないまま、「SNSによる誹謗中傷」や「旧ジャニーズ事務所の対応」が自殺の原因だと決めつけることは、本人をも冒涜することだと思います。
自称被害者の証言をちゃんと検証しようとすることすら「誹謗中傷」と一緒くたにして、ジャニーズファンを委縮させることは許せません!