元最高裁判事で、2005年の「皇室典範に関する有識者会議」の 座長代理を務めた園部逸夫氏の提言がYahoo!にて配信されている。 園部逸夫・元最高裁判事「女性、女系天皇を認めるべき」 皇室典範改正、進まぬ議論に提言 https://news.yahoo.co.jp/articles/acaddbc405c7c1bb7e6cd80f461fe388fcae4bf1 Yahoo!さん、グッジョブだ! 読んでいて、誠に理路整然、至極納得。 ここでは、有識者会議が提出した報告書を 安倍晋三が握りつぶしたことも記されている。 提出から2カ月後の2006年1月、首相公邸で食事をした際には、 小泉首相は3月の通常国会に皇室典範改正案を提出すると 話されていました。ところが2月、紀子妃殿下のご懐妊がわかると、 当時、官房長官だった安倍晋三元首相が「改正論議は凍結する」 との方針を示し、議論はストップしてしまいました。 実は1月に食事をした席には安倍元首相も同席していましたが、 不満げな顔を隠すこともなかったことが印象に残っています。 このほか、次のように述べている。 議論する上で、まず初めに大事なのは、 皇室の具体的な状況を念頭に置かないことです。 天智天皇が定めたとされる「不改常典」等、 理念としては直系継承を尊重するものが見られます(中略) 本来の原則は直系による継承であると考えられています。 当然ながら、国民の皇室に対する意識や国民との距離感は 時代とともに変わります。 女性・女系天皇を認めないとの批判の根底には 女性には任せられないという蔑視があるのでしょう。 日本の男性中心の政治は、日本を滅ぼすと思います。 戦後、男女同権という言葉があれだけ叫ばれて、 新しい考え方が入ってきたと思っていましたが、 一体どこに行ってしまったのでしょうか。 法律は絶対的な存在ではありません。(中略) 皇室典範について言えば、皇室制度が将来も安定した 制度として続くために、安定的な皇位継承のためには 何が必要なのかという観点で捉えなくてはいけません。 本来であれば、悠仁親王殿下がお生まれになった後も、 議論は続けるべきでした。
(下線:笹) 「伝統だ!」「女系は王朝が代わり、日本でなくなる!」 「旧宮家との養子縁組、赤ちゃんのうちに行えばOK!」 と言っている男系固執派がいかに異様か、 これを読めばわかるはずだ (まともな国語力があればの話だが)。 園部氏、御年94歳。 戦中の記憶もあり、いわばゴリゴリの男性優位社会を 生きてこられただろうのに、 「男性中心の政治は、日本を滅ぼす」と喝破するあたり、 柔らかな頭脳でアップデートしてこられたのだなと思う。 不易流行。 最近の自称保守は「保守とは、変えるべきところは変えて、 守るべきところは守る」などと言っているが、 そもそも変えるべきところ、守るべきところが 間違っているのだから、話にならない。