チェブリンモン子が名古屋のイベント前にピアノの練習を
して来たと言う。
ピアノが弾けるスタジオがあるらしい。
「えらいじゃないか、家でも練習してるのか?」と聞くと、
家では紙に鍵盤の絵を描いて、練習していると言う。
「音は?」と聞くと、紙だから音は出ないと言う。
それを聞いて、わしは泣いた。
そんなに貧乏だったのか!
紙にピアノの鍵盤の絵を描いて、音も出ないのに練習して
いるとは!
まるで貧ぼっちゃまだ!
音の出ないピアノで練習して、上手くなるわけがない。
なのに、難しい難しい、本番に間に合わないと焦っている。
わしは泣いた。さめざめと泣いた。
わしはチェブリンに電子ピアノを買ってやると約束した。
チェブリンは無邪気に喜んでいた。
金髪なのに紙でピアノを練習するほど貧乏だとは!
貧乏ってすぐ身近にあるもんだな。