新幹線のワゴン車内販売が終了するという。
ガッカリどころか、怒りすら感じる。
弁当や飲み物は、ギリギリに乗って車内で買えばいいという余裕がなくなった。
静岡茶は絶対だし、スジャータのバニラが楽しみだったのに!
大学を卒業したばかりの秘書みなぼんをグリーン車に乗せて、「新幹線のアイスは特別に美味しいんだよ」と教えたら、よっぽど刷り込みが強かったらしくて、数年後、なんとわしに「新幹線のアイスは特別に美味しいんですよ」と知ったかぶりするようになったのには驚いた。
「それ、わしが教えたことじゃないか――――っ」
乗車したら綺麗なお姉さんがワゴンを運んで来るのが、楽しみでしょうがなかったのに、もうあの風景も見られないのか。
ワゴン販売は新幹線のグリーン車を飛行機並みにステータスを上げるサービスだと思っていたが、これからは新幹線もただの電車か。
人手不足はあらゆる所でサービスの低下を招き、文化を味気なく、貧しくしていく。
とうとう新幹線も殺伐とした単なる電車になるのか。残念だ。
9月に名古屋、10月に大阪、あと二回、新幹線に乗るチャンスがある。
ワゴン車でスジャータを買って、泣きながら食うことにするか。