世の中には多種多様なマイクが存在し、現行製品として出回っているものだけでも軽く数千種類以上になります。
なかには、全く詳しく無い方でも「見たことある!」となる有名所も。例えばこちらは「漫才マイク」の異名を持つほど演芸の場で使われ続けている、SONYのC-38B。
マイクは歴史の様々な局面でも大きな役割をはたしています。昭和天皇の玉音盤を収録したのは、下記写真のRCA 74-AというマイクのライセンスでNHKと東芝が共同開発した「マツダ A型 ベロシティーマイクロフォン」
写真:Roadside Guitars
それにしても、玉音盤の録音に使われたマイクが、国産ではありながら、設計が「それはアメリカの情報だ」だったのは(RCA=Radio Corporation of America)、歴史のいたずらのような組み合わせです。
玉音放送と言えば、上皇陛下のお気持ち表明の映像の時も、真剣に拝聴しつつ、職業病でついマイクの機種チェックをしてしまいました(たぶん、AKG C747というマイクです。宮内庁御用達?)
陛下の両脇に2本置いているのは、顔の方向が多少変わっても的確に集音するためと、万一片方が壊れてもリカバーできるようにするため。昨今の、要人の演説などでは定番のセッティングです。
ただ、このマイクの選択と離し気味のセッティングは、陛下になるべくマイクを意識せず自然な形でお言葉を述べていただこうという、担当者の心遣いと感じました。
さて…その定番セッティングの範疇ではあるものの、ちょっと異彩をはなっているのが中国で、
たとえば、この習近平の演説映像では5本!数の割に集音範囲が狭そうなのが気になりますが、担当者の「絶対に失敗できない…」という緊張が伝わってきます。
ANNnewsCH 【ノーカット】中国共産党創立100周年 習近平国家主席の演説1/3(2021年7月1日)(YouTube)
そして、たぶん中国からノウハウが持ち込まれたと思われる北朝鮮では…
なんと7本!!
日本経済新聞 金正恩氏「核のボタンが私の机に」 新年演説で威嚇(YouTube)
やはりあれですかね…万一何かあったら、一族まとめて収容所とか…。
もしかの国の技術者と話す機会があったら、色々と聞いてみたい所です(笑)