倉山満『皇室論』。
明らかな事実誤認、支離滅裂、意味不明が多すぎる。
今回は8回目。
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倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【1】
倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【2】
倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【3】
倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【4】
倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【5】
倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【6】
倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【7】
前回ではハワイ王朝を例に出し、
「女系継承は『悲壮感の現れ』」だとして、
「得体の知れない」とまで言い切っている倉山の
トンチンカンぶりを紹介したが、
その後も読み手をミスリードする文章が続く。
たとえばこちら。
いわゆる女系天皇容認論は、皇室典範に関する
有識者会議の報告書にある通り、「男系男子の
皇位継承資格者の不在」という危機感から出たものです。
したがって、悠仁親王殿下がお生まれになって
この世におわす限り、必要のない議論です。
ここでいう報告書とは、平成17年に出された
有識者会議の報告書で、皇位継承資格を女性・女系にまで
拡大することを提言している。
危機感について、倉山は巧妙に論点をすり替えている。
正確には「男系男子の皇位継承資格者の不在」ではなく、
「現行の皇室典範を前提にすると、現在の皇室の構成では、
早晩、皇位継承資格者が不在となるおそれがあり、
日本国憲法が定める象徴天皇制度の維持や
長い歴史を持つ皇位の継承が不確実になりかねない」
である。(傍線:笹)
倉山クン、日本語理解できる?
男系男子がいる、いない、ではない。
男系男子だけに定めた皇室典範のままでは、
天皇制度の維持や皇位継承が厳しくなるよね、
と言っている。
ゆえに、報告書では次のように結論を出している。
「男系による継承を貫こうとすることは、
最も基本的な伝統としての世襲そのものを危うくする
結果をもたらすものであると考えなければならない」
「検討に際しては、今後、皇室に男子がご誕生になることも含め、
様々な状況を考慮したが、現在の社会状況を踏まえたとき、
中長期的な制度の在り方として、ここで明らかにした
結論が最善のものであると判断した」
(傍線:笹)
倉山クン、日本語読める?
将来的に男子が生まれることを想定しても、なお、
皇位継承資格を拡大したほうがいいと言っている。
「男系男子がいない」→「悠仁さまが誕生されたから万事OK!」
ではないことを、この報告書では述べている。
それを「必要のない議論」などと決めつけるのは
あまりに浅はかで、無責任。
普通の読解力があれば
理解できることだと思うのだけど、
なぜわからない??
(さらに暴論続くんだよね、やれやれ)