やっと『ゴー宣』第193章のわしのペン入れを終えた。
メールが次から次に来るが、いちいち読んで、返信
してたら作画なんか絶対に出来ない。
手を止めたらあっという間に筆が渇くから、いちいち
筆先を水につけて、インクが適度に出るように準備
しなければならない。
ノッた絵を描くには、筆先を何度も乾かしてはダメだ。
だから最近はスマホの電源を切ってから描く。
1ページか2ページ、ペン入れを終えたら、電源を
入れて、メールの返信を書くのだ。
どうでもいいようなメールには返信しない。
手塚治虫だって、年取ったら、円を描く曲線が震えて
いた。
わしの絵は曲線が多いから、集中力を何時間でも維持
しなければならない。
作画だけではない。コンテを描くときだって集中力の
維持は必要なのだ。
わしほどコンテに絵を書き込む漫画家も珍しいだろう。
適当でぞんざいな仕事してたら、50年間もプロとして
やっていけるわけがない。
作品はつまらなければボロカスに言われる。
人気を取れば、チヤホヤされる。
天国か地獄かしかない。
わざわざ新作を始めるよりも、一定の人気を取っている
作品を描き続けた方が楽だろう。
だが、それでもわしは新たな挑戦をやり続けなければ、
もう漫画家人生も長くはない。
わしは今、「愛子天皇論」を描きながらも、同時に新作の
イメージを膨らませよう、その中に入り込もうとして、
必死だ。
カンヅメする前に、細部までイメージを創造して
おきたい。
カンヅメしたらコンテを描くだけにしたい。
スマホの電源を切っておく時間が少しずつ長くなり、
カンヅメに入ったら、一週間は繋がらなくなるだろう。