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笹幸恵
2023.3.10 11:49皇統問題

倉山満『皇室論』のトンデモ言説を深掘りする【7】

倉山満『皇室論』。
明らかな事実誤認、支離滅裂、意味不明が多すぎる。

第一章ではまだまだツッコミどころがあるのだけど、
この調子では少しも終わらないので、第二章に行こう。

ここで倉山は女系天皇容認の議論を辿っている。
あちこち解釈がズレているので「?」の連続なのだけど、
最大にずっこけたのは女帝の容認で
なぜかハワイの例を挙げているところ。


(要約)
カメハメハ大王の男系男子孫が絶え、リリウオカラニ女王が継ぐ。
そのときにアメリカに滅ぼされた。
彼女の夫はアメリカ人。
ちなみに先代のカラカウア(リリウオカラニの兄)は来日して
山階宮を姪の結婚相手として要請したが、日本政府は断った。

で、こう結論している。

世襲である君主の地位を、女系で繋ぐということは
君主は「外国人でも良い」「一般人でも良い」との
悲壮感の現れなのです。
(中略)
さて、究極の選択です。
男系継承ができないから、皇室を終わらせるのか。
それとも、得体の知れない女系継承であっても
(ハワイ王朝がやろうとしたように)、皇室を残すのか。


・・・・・・???
何が言いたいのか、さっぱりわからない。
リリウオカラニは女だったから滅ぼされたの?
「君主は外国人でもいい」って、
リリウオカラニは外国人じゃないですけど?
悲壮感の現れ・・・・・・ええっと、何が言いたい?

しかも「得体の知れない女系継承」って。
倉山の激しい妄想による印象操作。

これで印象を操作されるバカがいるとしたら、の話だが。

もういい加減にせえよ。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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