倉山満『皇室論』。 明らかな事実誤認、支離滅裂、意味不明が多すぎる。 今回はその4回目。 「男系継承は女性差別である」という主張を、 倉山は「歴史を知らない人の議論」と切り捨てる。 なぜなら男系継承は、 「民間人の男を皇室に入れない、男性排除の理論」であり、 実際に藤原不比等の娘が聖武天皇と結婚して 光明皇后になっていること、 美智子さま、雅子さま、紀子さまと三人の女性が 結婚して皇族になっていることを挙げている。 正気か。 藤原不比等の娘は皇后にはなったけれど、皇族ではない。 藤原氏のままだった。 結婚して皇族になるのは明治の皇室典範からだ。 このあたりのいきさつは、高森先生がブログで紹介している。
意外と知られていない、光明皇后は皇族ではなかった! https://www.gosen-dojo.com/blog/38804/ 倉山は、「皇后=皇族」だと思っているのだ。 だから美智子さま、雅子さま、紀子さまと 光明皇后を同列に語るのだ。 これこそ「歴史を知らない人の議論」である。 倉山は続ける。 「この議論に、男女平等(最近はジェンダー平等と呼ぶのが正確か?) の問題はまったく無関係です。それを言うなら、男系継承というのは むしろ男性差別だという議論が成り立つという考え方もできてしまいます」 出た〜〜〜〜!!! 竹田恒泰のコピペ!!! 「男系継承は民間人の男性排除、ゆえに男性差別の制度」って、 まともな頭脳の持ち主なら、こじつけ、詭弁とすぐにわかる。 もう何度も言っているけど、そもそも現在の皇室典範では、 女性が女性というだけで天皇になれない。 「男を尊み女を卑むの気風あり」という 明治時代の価値観を今も引きずっている。 そのままでいいのか、ということを問うている。 しかも「男性排除」などというけれど、 女性皇族は結婚したら民間に下るのだから、 男性排除の前に女性排除があるではないか。 都合よく解釈するんじゃないよ。 女は嫁ぎ先である男の家柄で身分が決まる。 たとえ皇族であっても、だ。 今もそれがまかり通っているのはなぜなのか、 倉山はそれに答えなさい。 そうでなければ、「男性排除の議論だ」 などという主張、まったく説得力を持たない。 (まだ第一章が終わらない。いいかげんにせえ)