原告は現役高校生(18歳)、東京都や病院を相手取った憲法訴訟です。
戦後問題視され続けてきた、精神に障がいがない、又は強制入院させられる病状ではないにもかかわらず、「手に負えない」「厄介払い」として入院させられてしまう「社会的入院」。
当時13歳だった原告は登校しようと家を出た瞬間に、制服のボタンが取れるほどの抵抗にもかかわらず児相や民間業者にバンに押し込まれ、即日精神科病院に「医療保護入院」させられ、鍵と監視カメラとマイクのついた”独房”に放り込まれます。
情報公開で出てきた記録では、「本人に問題はない」「病院としてはできることは何もない」との診断にもかかわらず、です。
人口100万人あたりの「強制入院」の人数が欧米では約70人なのに対して、日本は約1000人です。日本だけ欧米に比べて15倍以上も精神疾患の人が多いのでしょうか?んなはずありません。上に見た「社会的入院」が文字通りけた違いに多いんです。
それを可能にしているのが精神保健福祉法上の「医療保護入院」(33条)です。
本人の意思を聴取することなく、「家族等の同意」と医師の判断だけで強制入院が可能で、現在の日本の入院者数でいうと、皆さんも聞いたことがあるであろう「措置入院」が約1500人に対して医療保護入院は約13万人と、これまた”けた違い”です。
1980年代から国際NGO等から指摘され続け、昨年は遂に初めて国連の委員会からも廃止勧告があったにもかかわらず、家族等の同意がなくても市町村長の同意で本人の意思に関係なく強制入院できるような改正、すなわちより入院させやすくする制度に改正されました。与野党双方の賛成で、です。
異常でしょこの国。
特に児童福祉法上の一時保護とあわせて即日医療保護入院してしまうケースもあります。
上記のとおり民主主義(国会や行政)の過程ではもう是正は期待薄です。
児童の権利条約にもある「子どもの意見表明権」を含めて、人身の自由、法の下の平等、適正手続、などなど、「より権利制限的でない」=より権利保護的な制度に改廃するために、本訴訟を提起しました。
原告の高校生はよくぞ立ってくれました。本人も会見に一緒に望みます。当事者が立ち上がらなければどうにもならないという状況も変えたいけど、立ち上がったなら必ず変えてみせる。
私にとっても未知の闘いですが、是非応援ください!
本訴訟の概要と法的解説は、明日1/18㈬20:00~の倉持麟太郎「このクソ素晴らしき世界」新年一発目でたっぷりお話します!
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