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笹幸恵
2022.12.16 11:48配信動画

軍トリ#74の感想(というか分析)

関西サポーターの基礎医さんから、
軍トリ#74のご感想をいただいておりましたので
ご紹介します!
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私、この番組の感想を初めて書くのですが、「ウクライナ戦争」が
目の前の現実の戦争とし展開していることを考えますと、
いまさらながら“戦争”のことというのは、継続して思考するべき事柄だと、
改めて思いました。軍トリはいわば、「戦争と現地のトリビア」を
バランスよく解説してくれているので、肩ひじ張らずに観れる番組かと思いました。

さて、今回は「トラック諸島 大空襲とその後」でございましたが、
私、トラックは、大和を始めとした連合艦隊の停泊地で、
日本の絶対国防圏であったグアム・サイパン諸島をめぐる
「マリアナ海戦」の前に壊滅した地ぐらいの知識しかなかったもので、
今回の番組は非常に勉強になりました
(余談ですが、私の祖父(母方)が生前よくグアムに
旅行していることを思い出しました。
自分は海がきれいな南洋諸島が好きなのだと思っていましたが、
今思うと同時代に日本の国防のために戦った戦友たちの慰霊も
あったのかもしれません(祖父自体は、内地勤務だったようですが))。
島の名前が、四季の季節名や曜日を名前にしている、というのが
おもしろかったですね。そして、島には軍用地で島を削り取って滑走路を作ったり、
商店を出して経済を発展させたりなど、
ミクロネシアは地政学的には日本の重要な防衛ラインということは差し置いても、
日本人が現地の人と融和してこの地域を発展させていったのだということが、
この番組で改めてよくわかりました。
自分はその流れの中で、現地に日本語の単語が残っているというのが、
面白かったですかね。
ここでは、ベントウ、タイソウときて、乳バンド
(ボケてすみません。武田鉄矢の造語かと思っておりました(m_ _m)、
そしてハダシ(靴という概念を持ち込んだのが日本人とは知りませ んでした)が
例として挙げられておりましたが、「なるほど~」と思いました。
あと、名前で「モリさん」が多いのは聴いた瞬間は意外
でしたが(田中、佐藤、鈴木かと思っておりました(笑))、
笹さんの説明を聞いて、やはり、現地の人に貢献した方は
レスペクトされるのだということが、よくわかりました。
なお、夏島のご説明で、“兵(つわもの)どもが夢のあと”という
表現が出てきました。
自分教養なくて、“つわもの”というのは、いままで「強者」という字かと
思っていました。
でも、よく考えてみますと、つわもの≒力の強いものではなく、
「自己をある程度律する精神の強さを持つもの」と
いう意味が内包されていると思われましたので、
“兵”という字の方が意味を成している、と思った次第です。
最後に、この番組で印象に残りましたのは、
笹さんが現地の方に「もしも、日本人が戦後も残っていったら、
もっと栄えたのかもしれない」という話を聞いたときに、
「私は、トラックの人々はそのようなことを望んでいるわけではなく、
あるべき姿に戻った」と言われたことでございます。
自分はこのことを、現地の人たちが、日本人が委任統治領で行ってきたことを
レスペクトするということと、自分たちの慣習に従うことが両立しているのだと、
理解しました。
「あるべき姿にもどった」。わたしたちの体内に置き換えると、
「何か病気があったとしても、ある程度は体内で免疫機構が働き、
エネルギー代謝が活発になり、恒常性が保たれる」、
そのような現象と似ているのかもしれない、と思った次第です。

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もはや感想というより、ぶぶぶ分析・・・。
恐れ入ります。

ちなみに靴(草履)を日本人が持ち込んだので、
現地の人々にハダシという概念が生まれました。
靴を履いていない状態、
それを表す言葉が今までなかった(表す必要もなかった)ので、
外来語であるハダシがそのまま根付いたのですね。
それを考えると、言葉と概念とは密接につながっていると感じます。
言葉によって概念を知り、
概念を認知するのに言葉が使われる。
複雑な思考に耐えうる力のひとつは、語彙力を含めた国語力なのだと思います。


先日ご紹介したふぇいさんは、「夏島のあるべき姿」について
皇位継承問題に結びつけて考えてくれました。
基礎医さんは身体の免疫と結びつけてくれました。
なるほど勉強になります。
自分の頭だけでは限界がありますが、
こうしてご意見を聞けると広がりが出ますね!
感謝です!!!

トラック諸島 大空襲とその後
『笹幸恵の軍事トリビア』#74


笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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