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高森明勅
2022.9.16 08:00皇統問題

「女性天皇」反対派はエリザベス女王の治世をどう見るのか?

「女性天皇」反対派はエリザベス女王の治世をどう見るのか?

女性天皇を認める皇室典範の改正に、
様々な理由を挙げて強く反対する人が、僅かながらいる。
何故か、女性君主の場合“だけ”、配偶者やその一族に
政治利用されるとか、何とか…。

彼らは英国のエリザベス女王の治世をどう評価するのか。
オランダも今の国王の前に3代の女王が続いていたが
(次の代も女王が予定されている)、それをどう見るのか。
さらに今後、女王の即位が予想される国々もある
(ベルギー・スペイン・スウェーデンなど)
それらも全て否定的に評価するつもりなのか、どうか。

それとも、日本の女性皇族(内親王・女王)“だけ”が、
他の君主国とは違って特別に劣るとか、
不利な条件を抱えていると言い張るつもりだろうか。

なお、女性君主が「女系」継承に繋がることは
当然どの国も同じであり、それによって“必ず王朝交替が
起こる”訳ではないことは、今回の英国の実例で示された
(オランダでも同様)。

本人の人格を“そのまま”反映させた、
下品極まりない表現をことさら使って女性天皇を貶めた同じ人物が、
エリザベス女王の崩御に際して、「二重の虹」まで持ち出して讃え、
殊勝に追悼の意を表していたのには、少し複雑な気持ちを抱いた。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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