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2022.9.14 10:58メディア

言論人とは到底言えない卑怯!「鳥兜筆者」のデマ

表現者クライテリオンは、いい雑誌だと思います!
特に昨日も触れた武術研究家・甲野善紀氏の記事で、甲野氏が語った新型コロナ騒動に関する見解は100%同意です!
(でも、だったらなんで編集長がワクチン打ったのか疑問ですが…)
その「表現者クライテリオン」が、よりよい雑誌になってほしいと思うからこそ指摘させていただいております。

昨日挙げた7月号巻頭コラム「鳥兜」の以下の記述について、さらに詳しく検証します。

〈この学者は、「自己の相対化を説く講話は平時ならば格調高い祝辞になるかもしれないが、ロシアと心理戦を交えることになった今、そのような発言は慎むべきだ」とも述べていた。紛争当事国でもない日本の映画監督にそれだけ言うのだから、八十年早く生まれていたら、さぞかし立派な「国民精神総動員」の指導者になったであろう。〉

鳥兜筆者はこのように慶應大の細谷雄一教授をこき下ろしたわけですが、鳥兜筆者はそもそも論争のルールというものを完全に無視して恥じない人のようで、ここでも細谷氏の発言をものすごく恣意的に「つまみ食い」しています。

少々長くなりますが、これは非常に重要な問題なので、実際の細谷氏の発言を全部紹介します。

4月15日、まず細谷氏はこのツイートをしました。

そしてこれに関連して、以下の連続ツイートをしています。

ちなみにロシア軍が撤退した後のブチャで虐殺の惨状が明るみなったように、ドイツ軍が撤退した後のアウシュビッツなどでの惨状が明るみに。だがその前の時期には、ドイツが悪くはない、英仏に戦争の原因だという議論もありました(ヴェルサイユ体制批判論含む)。今回の戦争とも似ています。

権威主義体制における相手の責任を強調するプロパガンダと、民主主義諸国における自己批判とは、しばしば不幸にして共鳴することがあります。後者は真摯な姿勢かもしれませんが、今回のウクライナ戦争ではロシア政府がプロパガンダとしてそのような民主主義国の自己批判を大量にリツイートで利用。

ロシアの政府機関が発信する情報は信頼度が低いので、むしろ民主主義諸国の国内の真摯な自己批判のツイートなどが、大量にロシアの政府機関によるリツイートでSNS拡散し、悪いのは米国だ、NATOだという発信が量的にも多くなる。それを何気なく見る人たちが、米国批判とウクライナ批判に傾斜する。

ですのでその点を留意しないといけません。ロシア国内では、ウクライナ戦争についての自己批判のSNSなどでの発信は、処罰対象となります。なので、出てこない。以前から指摘されている、自由主義的で、開放的な民主主義国が「影響力工作」に対して脆弱であることが、今回のウクライナ戦争でも明瞭に。

確かにロシアばかりを批判するべきではなく、ウクライナにも問題があった、アメリカにも問題があったという主張はそれ自体としては何ら不思議なことではなく、健全なことなのかも知れません。だが戦争中にそのような健全な発想の発信が、実は「心理戦」において悪用されていることにも留意すべきでは。

なので、鳩山元首相がなぜ頻繁にロシアや中国に招待されて、両国できわめて高い評価を受けているのか、そしてなぜその主張や発信がしばしばロシアや中国のメディアで取りあげられて拡散されているのか、その構造がご理解頂けるのではないでしょうか。

こういった議論に疑念を持つ方は、前にも紹介した下記のリンクをご覧下さい。世界中のロシアの政府機関で、発信回数の順位で、なんと日本語で発信する(つまり日本国民のみに発信している)駐日ロシア大使館が第4位。そして、ツイート数が137回に対して、リツイート数が2万1900回です。
securingdemocracy.gmfus.org
Hamilton 2.0 Dashboard
Hamilton 2.0 Dashboard

そしてそれらのリツイートなどを通じて、米国批判、ウクライナ批判の発信が拡散、蔓延。それらを見て、やはり米国が「悪の権化」と反射神経で感じた人たちの発信が、さらにまたリツイートされる(利用される)という構造。そしてそれらの一部の方が、私に対して攻撃を仕掛けてくるというシステムです。

 

これだけの長い前提があった上で、細谷氏は最後に映画監督・河瀨直美氏の東京大学入学式における祝辞について、こう書いたのです。

 


 

河瀬監督の自己批判、自己の視点の相対化の講話は、平時であればきわめて真摯な、格調の高い祝辞になったかもしれません。だが、現在の「心理戦」のなかで、そのようなシステムに組み込まれていることに対する無自覚なところに、私は懸念を感じました。河瀬監督に一切否定的な感情はありません。

 


 

公正な議論を尊重する人ならば、これを見れば唖然とするはずです。
鳥兜筆者のやり口は卑怯すぎます。
とても言論人として認められるものではありません。

細谷氏は権威主義国との戦争における「心理戦」の実態についてこれだけ懇切丁寧に説明した上で、河瀨氏の祝辞に懸念を示したのです。

ところが鳥兜筆者はその前提部分を全て無視し、しかも細谷氏が言ってもいない「そのような発言は慎むべきだ」という言葉を入れて、発言を改ざんして紹介し、細谷氏が「『国民精神総動員』の指導者」のように、問答無用で特定の意見の表明を封殺しようとしたかのごとく、でっち上げて非難したのです。

鳥兜筆者は完全なデマ屋です。
このような人が書いていては、「表現者クライテリオン」の信頼性は地に落ちると言わざるを得ません。

 

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