ロシアのウクライナ侵略から半年が経過しました。
ロシア軍は住宅や病院への無差別攻撃、さらには虐殺を行い、民間人死者は国連集計で約5600人、しかし実際はこれをはるかに上回るとみられています。
虐殺が行われた首都キーウ近郊ブチャでは、身元を特定できない遺体が埋葬されて番号だけが刻まれた墓標が並び、その光景を共同通信が配信しています。
8月30日の毎日新聞は、占領下のブチャで過ごした住民の証言を報じています。
『私たちは「人間の盾」だった 「無辜の被害者」に刻まれた惨劇の記憶』
「ロシア兵がまた戻ってくるかもしれないとの不安が消えず、今も怖くてしかたがありません」。ブチャ中心部に住むリュドミラさん(75)はロシア軍の占領下をずっと街で過ごした。
2月27日にロシア兵に自宅マンションから連れ出され、ほかの住民ら約300人と共に近くの幼稚園の地下に軟禁された。マンションにはロシア軍の前線本部が置かれ、目と鼻の先にあるボクザルナ通りはウクライナ、ロシア両軍が衝突する激戦地となった。「ロシア軍は私たちがここにいればウクライナ軍が攻撃できないと知っていた。私たちは『人間の盾』として使われたのです」
ウクライナ政府は4月2日、ブチャを含むキーウ州全域の解放を発表した。リュドミラさんは軟禁を解かれ、初めてこの街で何が起きていたのかを知る。散乱する遺体。そこに残された拷問や強姦(ごうかん)の跡……。自宅のすぐ近くだけでも、隣人を含む5人の遺体が見つかった。占領当初、リュドミラさんはロシア軍関係者にこんなふうに言われていた。「悪いのはゼレンスキー(大統領)だ。我々はあなた方を解放しに来た」。だが、「彼らがここでしたことは『解放』なんかではありません。戦争犯罪です」とリュドミラさんは怒りに声を震わせた。
ところがなんと、「表現者クライテリオン」はブチャ虐殺を「フェイク」だと言っていたのです!
同誌7月号の特集のトップを飾る、元外交官・東郷和彦と同誌編集長・藤井聡の対談には、『「ブチャ虐殺」への疑念』という項があり、そこで東郷は、ブチャ虐殺は反ロシア感情を焚きつけ、まとまりかけていた停戦交渉を潰すために仕組まれた「フェイク」だと主張し、藤井氏もこれに全面的に同意しています!
藤井さん、自分は聞き手として東郷氏の意見を聞いただけだとか、自分の発言では「そういう可能性が疑われる状況にあるわけですね」とか「仮にそうだとして」とか言っており、自分はフェイクだと断言したわけではないなんて、見苦しい言い訳は通用しませんよ。
藤井氏はこう発言しています。
「そうだとすると、三月二十九日の(停戦)提案を覆すために、ブチャの問題を世界の世論に訴えかけ、絶対に呑めない条件をゼレンスキーに言わせて、ロシアを負かすという発言を重ねていったアメリカの意図があり、その意図通りに進んでいるんじゃないかとも感じますが、いかがでしょうか」
藤井氏自身が、アメリカがロシアを潰すために、ブチャの問題を持ち出したんじゃないかと言っています。
そうでもなければ、ブチャの問題なんか出てくるはずはなかったと、藤井氏は間違いなく思っていたのです。
「ブチャ虐殺はフェイクだ」と言ったのと変わりありません。
事実は時間が経つにつれどんどん明らかになっていきます。
さて、どうするつもりですか、藤井さん?
【ロシベタクライテリオン論破祭り】
第1回 ウソついて逃げるクライテリオン藤井聡!
第2回 ロシアのプロパガンダを「多面的な解釈」と強弁する藤井聡!
第3回 道路交通法と国際法の区別がつかない藤井聡!
第4回 藤井聡の言う「多面的解釈の外交」とは何か?
第5回 NATOの東方拡大はアメリカの「裏切り」か!?
第6回 確かにアメリカは悪い! けど…?
第7回 ロシア経済崩壊の「主犯」は誰か?
番外編 藤井氏動画コメントに見る、クライテリオン読者・支持者の「程度」
第8回 藤井聡が依拠する、伊藤貫の「国際情勢認識」の正体
第10回 藤井聡氏に小学校の国語のテスト。
第11回 クライテリオンは朝日と産経の「悪いとこ取り」