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笹幸恵
2022.7.23 09:55日々の出来事

「なんだかなあ」の日々。

ここのところ、某案件の編集進行管理で
脳みそと目ん玉に極度の圧をかけ続け、
また別の案件では自分で入稿データを作成するため
わけの分からんコンピュータ用語にまみれ、
どちらもパソコンとにらめっこで、
もはや昼を過ぎるとコンタクトがつらい。
加えて本を読もうとすると焦点が合いづらい。
ううう、眼精疲労か、老眼か・・・(両方だろ)。

安倍元首相が銃撃されてから、
私が使用するSNSではその話題ばかり、
いろいろな人が投稿している。
悲嘆にくれる自身の様子を投稿する人、
偉大な政治家だと褒めそやす人、
その足跡を辿る記事を発表する人、
記帳に行ってきたと重々しい感じで綴る人、
彼の意思を継いで奮起するぞと
決意を新たにする人・・・。
当初はその銃撃を「左翼の集団イジメの結果だ」とか、
まるでトンチンカンな意見を述べる人もいた。

なんだかなあ。
そうして投稿する人のほとんどは、
安倍元首相と自分とのツーショット画像を
アップしている。

かつて私はこんなに安倍さんと懇意だった、
こんなに権力の中枢の近くにいた、
そんな私ってすごいでしょ。
その死を悲しむ言葉とは裏腹に、
えげつないほどの自己愛が前面にあふれている。
泊付けのつもりなんだろうな、
空っぽな自分への。

そこには、信仰で苦しめられる家族の存在や、
家庭崩壊して自力でも浮上できなかった人の
やるせなさ、無力感、徒労感、
そこに目を向けることのない社会の有り様に
疑問を持つ視点は1ミクロンもない。

なんだかなあ。
古くからの友人の、なんということはない
ぬか漬けの画像が今は一番だ。
私のぬか漬けより、100倍美味しそうだし。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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