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小林よしのり
2022.7.5 16:12日々の出来事

「スマウヨ」と「少数安定政党」のブームである。

さっきFLASHのN君とりか坊と打ち合わせしてきたが、
参院選のことを聞いて、呆れかえってうんざりした。

結局、『戦争論』を読んで右傾化した若者が、日韓
ワールドカップで嫌韓になって、韓国人差別をする
ようになって、「ネトウヨ」が生まれた。

最近はコロナ禍で、スマホで情報を仕入れるように
なって反マスコミ化し、愛国に目覚めた年配者が
「スマウヨ」になって、参政党に流れている。
したがって、「反ワクチン」「男系固執」「秋篠宮
バッシング」の一群が政治に興味を持ち始めた
「スマウヨ」だ。

「ネトウヨ」はもう古い。今は「スマウヨ」だ。
ただし世代の若返りがあったわけじゃなく、「スマウヨ」
は年配者だから、年齢的には「ネトウヨ」と変わらない
かもしれない。

「維新の会」の躍進以来、「少数安定政党」のブーム
となっていて、「維新の会」もしょせん公明党には
及ばないが、「れいわ」だったり、「NHKをぶっ壊せ」
だったり、「参政党」だったり、次々に「少数安定政党」
を雨後の筍のように生み出している。

驚いたのは山本太郎が、「れいわ」の延命のため、
衆議院議員を辞任して、参議院に鞍替えしていることだ。
つまり、参議院⇒衆議院⇒参議院と、選挙のたびに
議員辞職して、「少数安定政党」の延命を図っているのだ。
それって、やっていいことなのか?

昔は泡沫候補は当選しなかったが、最近は1議席・
2議席、取れるようになってしまった。
もはや「少数安定政党」を狙って立候補するように
なっているが、自民党にとっては好都合だろう。
何もしない、何も言わないというのが、自民党に
とって最も都合のいい戦略だ。
政治の世界もどんどん劣化が進んでいるなぁ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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