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泉美木蘭
2022.2.26 16:32

3回目接種を取りやめてもらった話

「もう二度と打たないから打つ」
と言って、引き留める娘の気持ちを無下にして
ワクチンを2回接種し、案の定、高熱を出した上に、
「こんなもん二度と打つかー! ワクチン反対!」
とLINEを送ってきていた母が、
半年たって、3回目の接種案内が届いたとかで、
あっさり予約をしてきたと言い出した。

母は、3回目を打ちたい理由として、

「まわりの人は、みんな打つと言っている」
「田舎の年寄りは、会えば、ワクチンいつ打ったのか、
どれだけ熱が出て、どれだけ腕が腫れ上がったかという
話しかしない。だから、自分も打ちたい」

ということを繰り返し何度も言っていた。
すでに2回打った人に対して、どう話すかは考えものだ。
ひとまず、

●現行のワクチンは、オミクロンに対しては意味がなく、
政府は在庫一掃のために打て打てと言っているだけ

●急いで打たなくても、接種券を持っていればいつでも
打てるから焦らずに様子を見ていても大丈夫

●接種後の死者や、大変な後遺症を背負った人がどんどん
出ているが、ほとんど「因果関係不明」で片づけられて、
もしもの時の補償など、絶対にない

●大変な目に遭っている人が大勢いることを知った以上、
自分の身内に「打っておいで」とは言えないし、
もしもなにか起きたときに、
「やっぱりあの時に、強く引き留めておけばよかった」
と私は絶対に悔やんでしまう

という4点を、雑談と脱線と他人の悪口と笑いを交えながら、
2時間以上かけて楽しく話した。

そもそも母はウイルスの変異がわかっておらず、
オミクロン株も、肺血栓症を起こした武漢株も英国株も
デルタ株も、すべて同じように存在していて、

「当たったのがたまたまオミクロンならラッキーだけど、
ほかの株も同じぐらいあるので、そっちに当たれば死ぬ」

というイメージがあったようだ。
データや数字の話をしても、右から左になってしまうので、
ウイルスの超基本的な話を絵本のように話したら、
おもしろがって聞いていた。

それから、母は、
「万が一のことがあったときは、国は手厚く補償してくれる」
と思い込んでいた。

もしかすると、
「公務員は安定的」とか
「国家公務員は高額の年金がちゃんと出る」とか
「国が発注する公共事業は、金払いがいいから安心」
というような話の中で思い浮かべる『国』のイメージと
ごっちゃになっていて、
「国がやることだから、ちゃんとしてくれる」
と思い込んでいるのではないかと感じた。

一人暮らしの母は、
父と大事にしてきたペットの犬が、まもなく寿命を迎えようと
していることもあって、さみしい気持ちを抱えている。
「みんな打ってるし、私も打った人の仲間に入らなきゃ」
という感覚が加速しているようだったので、
楽しくコロナの話をして、心配もしてる家族がいるやん、と
感じてもらえれば、少しは打ちたい願望も薄らぐかなと
思いつつ、どうなるかなと心配だ。

ところが、先ほど、母から、接種の予約を取り消した、
と連絡があった。
仲の良い奥さんに、「実は娘からこんな話を聞いた」と
相談してみたところ、
なんと、そのお宅の息子さんの同級生(20代)が、
接種当日に死んでしまったと打ち明けられたのだそうだ。

「大っぴらには言わないようにしているけど、うちでは、
このワクチンは危なすぎるから、もう打たないでおこうと
話してるし、娘さんの言うとおり、
やめたほうがいいわよ」

と言われたらしい。
死亡した20代の同級生は、
「本人も気づかない隠れた病気があったのかもしれませんね」
と言われて片づけられてしまい、当然補償もなく、
火葬してしまったので確かめようもない状態だそうだ。

母は目が覚めたような様子で、打つのはやめると言っていた。
1人から熱心に説得されても、いまいち届かない場合でも、
別の人から別のシチュエーションで話を聞くことで、
一気に意識が変わるということはあるかもしれない。

そして、本当は危険なワクチンだと感じていても、
そう思っていることを話すことが憚られて、
周囲に合わせてワクチンを肯定しているようなふりをしている
人もいるのかもしれない、と感じた。

 

 

 

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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