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高森明勅
2022.2.7 12:45皇統問題

2月11日「建国記念の日」、天皇陛下は宮中三殿にご拝礼

月刊誌「カレント」2月号から「皇室の春夏秋冬」という
連載を開始した(毎号4ページ)。

大島前衆院議長インタビュー

同号巻頭には前衆議院議長だった
大島理森氏へのインタビュー記事が載っている

(インタビュアーは同誌発行元、
潮流社・代表取締役社長の室舘勲氏)。

大島氏は改めて言うまでもなく、上皇陛下のご譲位を可能にした
法整備に当たって、
大きなリーダーシップを発揮された。

「議長席から見て感じるのは、国会議員の先生方への敬意です。
たとえば衆議院で記名投票などがある際、衆議院の465人の先生全員と挨拶します。
先生方は皆、国民の皆様のために、あの厳しい選挙を勝ち抜いた
先生方なんだと思って挨拶をします。
選挙をくぐり抜けてきたことに対する敬意は忘れませんでした。
当然、意見が違えば論争はありますが、根底には先生方への敬意があります」

国会議員は皆さん、国民の負托によってその立場におられる。
私も、その事実に対し、最低限の敬意は忘れてはならないと
銘記しているつもりだ。

記事中、傾聴すべき発言が多くある。
「(国会の総意で皇室典範特例法を成立させることができて)
良かったと思いますが、
まだ課題は残っております。
これは新議長、新内閣もとで、静謐な中で結論を
得てほしいという想いがございます」

―というのは勿論、皇位の安定継承への道筋をつけることだろう。

被占領下の昭和天皇の“抵抗”

私の連載第1回は「神武天皇の即位にちなむ『建国記念の日』」。

「敗戦後、日本が被占領下にあった時期に、占領当局の圧力があり、圧倒的多数の国民が存続を望んでいた(昭和23年1・2月に
総理庁が実施した
世論調査では81.3%の国民が希望)にも
かかわらず、祝日法の施行によって、
いったんは平日と
されてしまいました(昭和23年7月)。

この時、宮中祭祀の1つ『紀元節祭』も停止を
余儀なくされました。

それでも昭和天皇の強い意志によって、『臨時御拝』
という名称で、
いささか簡素化しながら、その後も毎年、
途絶えることなく天皇の
ご拝礼が続けられました。

平成になって『三殿御拝』と呼び方が改められ、
令和の今も天皇陛下によって揺るぎなく受け継がれています。
皇室には、全てを包み込む穏やかさの一方で、
大切なものは断固として
守り通そうとされる厳しさ、
したたかさも、備わっているのです」

(“三殿”とは勿論、賢所・皇霊殿・神殿=宮中三殿)

同号の編集後記に大きく私の連載を取り上げて戴いた中で、
上に引用した部分の最後、「皇室には…」という一文を
丸ごと紹介して貰った。

今回の拙文で最も伝えたかった箇所なので、嬉しかった。
理解ある編集者に出会えると、執筆にもより一層、
張り合いが生まれる。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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