遅ればせながら、 今週の週刊文春&週刊新潮(2/3号)のご紹介。 文春 囚われのプリンセス 佳子さまは高3で豹変した センセーショナルなタイトルを掲げているが、 実際は佳子さまのこれまでの歩み。 引っ込み思案だった佳子さまが フィギュアスケートに目覚めたこと、 特別扱いされることへの葛藤、 高校時代にはダンスに夢中になったこと、 大学は学習院を中退してICUに入られたこと、 かつてはアプローチしていた男性がいたこと。 その上で、安定的な皇位継承のあり方を巡る有識者会議が出した 「女性皇族は結婚後も皇室に残る」案が国民の期待を集めると、 囚われのプリンセスの葛藤は深まる・・・という内容。 タイトルで謳う「豹変」とは、ダンスに熱中する佳子さまが、 紀子さまに声を荒げたこともあった、という件。 うん、それは豹変というか、健全な反抗期だ。 一方の新潮は、 「愛子さま」のお婿さん候補 旧宮家「男系男子」皇籍復帰の最筆頭「賀陽家」とは と題して、百地章、八木秀次といった ゴリゴリの男系原理主義者の言い分をそのまま掲載。 百地は次のように語っている。 (現在は皇室典範で皇室が養子を迎えることは禁じられているが) 「現在は皇族数の減少が懸念されているのですから、 例えば皇室典範と一体をなす『養子特例法』を作って迎え入れ、 独立する際に新しい宮家を創設してもよいのでは」 その筆頭が、賀陽家だという。 記事には昭和22年に皇籍離脱した旧皇族の家系図が掲載され、 そこには皇位継承順位が記されている。 これが「現行の憲法および皇室典範のもとで定められた順位」 だから意義があると言うのは、八木秀次。 とりわけ皇位継承順位8位の賀陽家には、男子が六人いて、 それぞれ継承順位が9〜14位。 三男・章憲氏(11位)の、そのまた長男の正憲氏、 さらにその息子2人が20代だという。 さらに、 「(彼らが)愛子さまのお婿さんになっても恥ずかしくない」 という縁戚のコメントや、 「男系によって統制していくべき」という 久邇朝宏氏のコメントを入れ、 有識者会議の報告書の「養子」案なのか 愛子さまのお婿さんの話なのか、全くはっきりしないまま、 何となく「由緒正しい家柄に、皇族になるに相応しい若い方が いるのね」という印象を抱かせる内容となっている。 まるで「消防署のほうから来ました」と言わんばかりの内容だ。 百地は室町時代から「血のリレー」が続けられてきたとし、 新潮は地の文で 「実際に、離脱した旧宮家の中には『その時』に備えるかのように 男系の血脈を受けついている家庭も少なくない」と述べているが、 あまり穿ちすぎだろう。 備えるも何も、家にたまたま男子が続いたに過ぎない。 百地の「養子特例法」案も、そもそも必然性を感じない。 生まれながらにして皇族である女性たちがいるのに、 それを完全にスルーして、小手先で男を優先させる、 その感性は一体何なのか。 法の重さを知り、真摯にこれと向き合うなら、皇室典範の 「男系男子の継承」(第一条)か、「養子を禁止」(第九条)か、 どちらかを改正する議論が必要だと言わなければならないはずだ。 第一、現在懸念されているのは「皇族数の減少」ではない。 「皇位の安定的継承」である。 昭和22年当時の皇位継承順位の表も、 賀陽家で皇位継承順位が定められているのは、全員が物故者。 新潮が注目する20代の若者二人にとっては祖父に当たる。 「この順位は引き継がれる」と、八木はさらりと言っているが、 どこにその規定があるのか。 日本国憲法下で定められた順位(だから意義がある)というが、 その憲法下で皇籍離脱し、「一般人」として生活してきたのなら、 本人はもちろんその末裔も「国民」ではないのか。 法の下の平等(憲法第14条)が適用される対象ではないのか。 「独身の男系男子は〜合わせて10人はくだらないといいます」 (皇室ジャーナリスト) 「旧宮家の中には、(皇籍に復帰する)思いを持つ方も いるのではないでしょうか」 (百地) 「旧宮家のご当主にお聞きしたところ、現在4人ほど “必要があれば皇籍に復帰する”という覚悟を持っている 若い男性がいるとのこと」 (八木) すべて推測と又聞き。 まさに「いるいる詐欺」だ。 悪質な誘導記事と言うよりほかにない。
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