今日の産経新聞「正論」欄で、竹内久美子が
「愛子天皇」待望論は国を亡ぼす
として寄稿している。
概略は以下の通り。
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ネットでは秋篠宮家に対する憎悪が凄まじく、
この家から天皇が出ることは我慢ならない、
ゆえに愛子天皇を待望する声が高まっている。
しかし愛子天皇が実現すれば、生涯独身を
強いることは不可能。結婚してお子様が生まれ、
その方が次の天皇となれば「女系天皇」、
別の王朝が始まる。
「愛子天皇を待望している人々が本当に
狙っているものとは、実は皇室の滅亡であり、
それは日本国の解体をも意味する」
不敬の名の下に皇室を知ろうとしない
国民の怠慢にも責任の一端がある。
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何という単純思考か。
私は、秋篠宮家に最大の敬意を持つ者だが、
同時に愛子天皇を待望している。
そうした立場に立つ人々は完全スルーだ。
「秋篠宮家バッシング=愛子天皇待望論」
という図式でしか理解していないから、
皇室の滅亡だの日本国の解体だのと
極端な答えにたやすく行き着く。
これ、コロナワクチンをめぐる構造と全く同じである。
ワクチンの効果に懐疑的な人まで
「反ワクチン派」として、妙な陰謀論を
展開する人々と同一視する。
賛成か反対か、白か黒か。こうした二項対立の
単純な思考は、物事の本質を見失わせる。
最初からレッテルを貼り、色眼鏡でしか見ない。
たとえそれとは異なる考え方や立場があっても、
見たくないものは見ないし、
また二項対立の構図でしか理解しない(できない)から、
そもそも議論が成立しないのだ。
そして極端な、先鋭化した意見は大衆の耳目を集める。
ちなみにいうと、
結果的に国家存亡の危機に陥った大東亜戦争は
そうして始まったのですよ、竹内さん。
天皇家の歴史から見れば、明治という”つい最近”に
定められた男系男子の継承を「伝統」だとする愚。
過去から男系の血統のみが尊ばれてきたと
結果論的に判断する愚。
それらの伝統や血統を原理主義的に信奉して、
「別の王朝が始まる」などと言う愚。
相手を陰謀論者に仕立てて
自らの正当性を担保しようとする愚。
そしてこれらの愚を重ねるがゆえに
皇位継承問題の本質を捻じ曲げ、
まさしく皇室を滅亡に追いやる愚。
一体どれほど愚を重ねれば気が済むのか。
戦争への邁進と戦後の忌避感、
ワクチン全体主義、
そして皇位継承問題。
根っこはすべて、地続きだ。
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