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笹幸恵
2021.12.3 16:28皇室

文春&新潮、過去を非難して一体どうなる?

今週の週刊文春・週刊新潮は、どちらも
子供たちの自由と自主性を重んじた
秋篠宮家のバッシング。

週刊文春
「娘の離反」を生んだ秋篠宮家「15年の蹉跌」

週刊新潮
誕生日会見で「小室圭さん」を全否定
「放任教育の果て」を省みない「秋篠宮」

文春は、誕生日会見を振り返ったのち、
秋篠宮さまと眞子さんが仲の良い親子であったこと、
それが小室さんとの出会いで変わったこと、
眞子さんが(小室さんと出会った)ICUに進学されたのは、
秋篠宮さまが子供の自主性を尊重したから、として
こう結んでいる。
「皇族としての『公と私』の問題を突きつけられた眞子さんは、
強行婚という形で”離反”し、小室さんと海を渡った。
その問いは、秋篠宮家に残されたままだ」

非常に抑制された表現で書かれている記事だけど、
要は「秋篠宮家の教育方針が悪い」ということ。
まるで「自主性を重んじたからこうなった」と
言わんばかりだ。
ちまたじゃ「ダイバーシティ」などと横文字が
幅を利かせる中で、皇族だけが多様性に富む社会を
生きてはいけないのか。
自主性を育んではダメだとでもいうのか。
これこそ時代に逆行した因襲ではないのか。
そこに言及しないところがメディアのずるさだ。

一方の新潮は、より意地が悪い。
誕生日会見を振り返っていることは文春と同じだが、
「娘を送り出した寂しさよりも、
ようやく発ってくれたという安堵が上回られた」
「小室さんについては不快感を露わにされた」
などと、地の文で入れている。
どうしてそういう感想になるのかさっぱりわからない。
あの会見を何のバイアスもかけずに見れば、
秋篠宮さまは苦悩されながらも率直に今の思いを語られた、
と見るのが普通だろう。

後半は、静岡福祉大名誉教授の小田部雄次がコメント。
秋篠宮さまが眞子さんのことを
「常に公的なものを優先している」と話されたことについて、
「秋篠宮さまご自身が、”公務さえしていればあとは自由”と
お考えだからなのではないでしょうか」
と語っている。
誰が言った、そんなこと!!!

新潮はこうもはっきり書いている。
「仮に皇族の慣例に倣って(学習院に)進学していれば
『海の王子』と出会うことはなかったのだ」

変えようのない過去を非難してどうする。

「なんでアメリカと戦争などしたのか
(負けるとわかっていたのに)」
と、その経過をなーんも知らずに結果だけ見て非難してきた
戦後知識人と同じ思考回路。

自主性を尊重する秋篠宮家を、ついこの間まで
ほめそやしていたのもまたメディアだということを
忘れてはならない。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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