12月1日は天皇・皇后両陛下のご長女、愛子内親王殿下の20歳のお誕生日。
この日、殿下はご成年を迎えられた。国民の1人として心からお祝い申し上げ、
今後一層のご健康とご多幸を祈り上げる。《色濃い歳月》
同日、ご発表になられた「ご感想」は感銘深いものだった。
その中に、次のような一節がある。「これまでの日々を振り返ってみますと、いろいろな出来事が思い起こされ、
感慨深く思うとともに、多くの学びに恵まれた色濃い歳月
であったことを実感します」殿下のこれまでの険しい歳月を知る国民は、
この部分を拝読して、思わず息を呑んだのではないか。母宮の皇后陛下が長く、いわゆる“雅子妃バッシング”に苦しめられ、
ご自身も不登校の時期がおありで、更にストレスによる摂食障害で
別人のようにお痩せになった時期もおありだった。
まことに申し訳ないことながら、「暗い井戸の中にいたような」時期も
体験して来られた。そうしたご経験を含む過去を顧みられて、
「多くの学びに恵まれた色濃い歳月」と表現されている。
どんなにお辛い経験も、貴重な「学び」の機会と捉え返し、
「恵まれた」とまで表現しておられるのだ。一般的に、20歳を迎えたばかりの女性が自分の過去を振り返って
「“色濃い”歳月」と表現することは、にわかに想像できないだろう。様々な苦難を見事に乗り越えて、ご成長の糧とされたご意思の強さには、
敬服の念を禁じ難い。《様々な方》
ご感想の中には、このような一文もある。
「様々な方と出会い、関わることを通じて、人と人とが互いに手を取り合い、
交流の輪が広がっていく素晴らしさを学び、全ての経験が私の財産になっています」
ここで殿下は、「様々な“方”と出会い」と表現されている。
“方々”ではなく、「方」。どれほど「様々な」出会いがあっても、それは「人と人」の
1対1の人格同士の「出会い」。
そのように受け止めておられる誠実さが伝わる。先日、実際に愛子殿下への取材に加わった経験を持つ
テレビ局のスタッフから、その時の感想を聞いた。「愛子さまはインタビューにお答えになる時、質問者だけでなく、
その場にいる我々1人1人に、しっかりと視線を配って下さるんです」と。
多くのメディアの記者達に対応されるような場面でも、
あくまでも「方々」でなく「方」として、「人と人」の「出会い」として、
お心を込めて接しておられるのだろう。
そのような振る舞いが、“自然に”出来る20歳の若者がどれだけいるだろうか。《人の役に立つ》
ご感想からもう1箇所だけ引用させて戴く。
「これからは成年皇族の一員として、一つ一つのお務めに真摯に向き合い、
できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております。
そして、日頃から思いやりと感謝の気持ちを忘れず、
小さな喜びを大切にしながら自分を磨き、人の役に立つことができる
大人に成長できますよう、一歩一歩進んでまいりたいと思います」天皇陛下がキーワードとされている“自己研鑽”と
共通する謙虚さと向上心を拝することができる。
有難い。ご感想の全体を貫く、細やかなお気配りと格調の高さには、
感嘆すべきものがある。公開されたご近影を拝見しても、とても20歳とは思えない落ち着いた
優美さを備えておられる。
気品のある笑顔には心が清められる思いがする。
お顔立ちは、天皇陛下にそっくりでいらしたのが、
皇后陛下にも似て来られたように拝される。上皇・上皇后両陛下から天皇・皇后両陛下へと
受け継がれて来た大切な精神を、真っ直ぐに受け継いでおられるのは、
まさに愛子内親王殿下に他ならない。
愛子内親王殿下こそ、日本の未来への大きな希望であろう。殿下が将来、「皇族に生まれて幸せだった」と回顧して戴けるよう、
皇室を取り巻く環境の改善に、国民として力を尽くさねばならない。なお、12月1日の祝賀行事に皇后陛下はご体調不良の為に欠席されている。
ご様子はどうなのか。
心配だ。
皇后陛下におかれては、どうかくれぐれもご無理をなさらず、
ご療養を最優先になさって戴きたい。【高森明勅公式サイト】
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