最近わしが嵌っているのは「My Little Lover」だ。
声もたまらんし、楽曲も素晴らしい。
もう何年前になるか知らんが、「My Little Lover」
を好きになったのは、秘書みながカラオケで歌って
いたからだ。
秘書みな以前の秘書は電話で延々と長話する女
だったが、みなぼんは全く喋らない。
用件のみで1分で終わるロボットみたいな奴で、
だが会えばよく笑う女だ。
よく笑うロボットというのが秘書みなだ。
何を考えているのかさっぱり分からない。
今はあまりに仕事が忙しすぎて、取材で街に出ても、
散歩もしないし、カラオケもしない。
散歩は足腰を鍛える重要な健康法だったし、カラオケ
は喘息のわしの肺活量を鍛え、そして発汗する大事な
健康法だった。
忙しすぎて、二つの健康法を失ったままだ。
「ゴー宣道場」に関する仕事が多すぎて、秘書みなが
わしの取材に同行することも少なくなって、わしは1人で
目的地を探して歩き回ったりするので、身の危険にも
さらされる。
秘書みながやってる仕事を減らすために、総合Pに
「ゴー宣道場」の仕事をあずけたいが、独裁になると
反対する者もいる。
「人望がないのは弱者に優しくないからだ」と昨日、
厳しく叱ってやったが、彼女はいつも叱られて、落ち
こんでいるのに、よくついてくるものだ。
「ゴー宣道場」の名簿作りや当選者選びや送信作業は
誰にでも任せられる仕事ではない。
「ゴー宣道場」が終わるまで続けられる人間でなけ
ればならない。
誰にも任せられないのなら、秘書みなが続けるしか
ない。