ゴー宣DOJO

BLOGブログ
笹幸恵
2021.9.29 15:51皇統問題

女性皇族の自由恋愛は認めないって何様なんだ?『WiLL』竹内×橋本対談

高森先生も今朝のブログで「正気を疑う内容」と
書かれていましたが、『WiLL』11月号、
「皇族に恋愛の自由はない」というタイトルの
竹内久美子×橋本琴絵の対談があまりにひどい。

二人ともゴリゴリの男系原理主義者。
相も変わらず、
「女系天皇になると別の王朝が始まる」(竹内)
「2600年以上続いた皇室の伝統は一瞬で消滅」(橋本)
「相手が外国人だと、その外国の支配下に」(竹内)
「旧宮家の復活が急務」(橋本)
などなど、荒唐無稽な主張を繰り返している。

別の王朝って何ですか?
皇室の伝統が一瞬で消滅って、どういう事態?
外国の支配下って、具体的にどういうこと?
全くリアリティのない旧宮家の復活を本気で
考えている人たちに何を言っても無駄か?

何より私が驚いたのは、橋本が
男性皇族の自由恋愛はOK、
女性皇族の自由恋愛はNG、
と決めてかかっていることだ。

「昨今の平等論を皇室にも適用して
女性皇族が男性皇族と同じように自由恋愛することも
伝統に照らして問題ですが、政府はその予算を十分に
割いていません。宮内庁や皇宮警察は少ない人数のため、
小室氏が眞子内親王殿下に容易に近づける環境を
つくってしまった」

「女性皇族の自由恋愛を認めると、
さまざまなリスクが生じます。
婚姻前の性交渉に伴う性感染症、
覚せい剤などの違法薬物を仕込まれるリスク、
さらにはリベンジポルノなども万が一のリスクとして
想起しなければ。
また簡単に性行為ができるようでは、皇統の問題にも
直結することです。抜本的な制度の見直しが求められます」

常識ある方なら、目を疑うような発言だろう。

女性皇族って、そもそも恋愛が認められていなかったんですかね?
なぜ女性だけがそのような制約を課せられるのですかね?
だいたい宮内庁や皇宮警察は、女性皇族の周りにいる男性を
排除することが任務ではないでしょうに。

リスクの意味もわからない。
性感染症も違法薬物も、男女は問わない。
リベンジポルノは、一般的には女性が被害に遭うことが
多いのだろうけど、著名人なら男性だってリスクだ。
挙句、
「小室氏との関係をバッサリ切ることも必要でしょう」
って、何サマ目線なの?

そのくせ、盛厚王(東久邇宮稔彦王第1王子)の
三人の息子に対しては、母親が照宮さま(上皇陛下の姉)、
祖母は聡子内親王(明治天皇第9皇女)だとして、
「『天皇の血』という意味では、近親という『近さ』でいえば
母系からは数えませんが、生物学的な『濃さ』でいえば、
とても濃い血を受け継いでいます」
と発言している。
だから、その息子たちが男系男子なのだと言いたいのだけど、
すでに論理が破綻している。
母系からは数えないけど、権威付けは母系に依拠し、
ゆえに「生物学的に濃い血」だとまで言っているのだ。
意味不明。
女系だと伝統が一瞬にして消滅するんじゃないのか。

自分の発言の矛盾に気付いていないのか、
気付いていてスルーしているのか。

女性の意思や主体性をとことん無視し、
地に足付けて考えようともしない空念仏。
だから、自分の主張がシッチャカメッチャカなことにも
気が付かない。気の毒に。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

次回の開催予定

INFORMATIONお知らせ