4月8日、退位特例法の附帯決議に応え、皇位の安定継承を目指す
制度改正を検討する有識者会議で、櫻井よしこ氏ら5名から、
ヒアリングを実施した。これがヒアリングの第1回。
そこでの発言は、対象者の名前が公表された時点で、ほぼ想像できた。
それよりも、同日、国民民主党の山尾志桜里衆院議員が同会議を巡り、
政府への質問主意書を提出されているので、むしろ、
こちらに注目すべきだろう。
同主意書での質問事項は3項目。①皇位の継承順位について、一部の報道に
「現在の順位を変えないことが前提」という趣旨の報道があった。
現状からの変更の是非について、何らかの前提を置いているのかどうか。②ヒアリングでの聴取項目の問9に「皇統に属する男系の男子」とあるのは、
いわゆる“旧宮家”に限定されないようにも読み取れる。
旧宮家を意味するのか、それとも対象となる範囲を広げているのか。
仮に広げているとすれば、いかなる基準で、どこまで広げるのか。③今後のスケジュールについて様々な報道がなされている
(6月に会期末を迎える今国会中にもヒアリングを終え、
成果をまとめて国会に報告。
年内をめどに論点を整理。スケジュールありきではない)が、
とりまとめの時期について方針を定めているのか。
定めているならその方針を明らかにして欲しい。
定めていないならば、いつ誰がどのように定めるのか。
いずれも大切な事項だ。①は、もし“前提”を置いているとすれば、ヒアリングでの
聴取項目と矛盾するか、聴取項目への特定の回答を、
予め(暗黙の内に)排除していることになる。
いずれにせよ、会議の運営の仕方に疑問が生じる。
又、②は、聴取項目の問いの表現だけからは、旧宮家に
“限定”する意味は読み取れない。
従って、この点について含意を確定しておくことは、
どうしても必要だ(この点、ヒアリングの対象者が誰も
不審に思っていないらしいのは、逆に心配)。
これまで先送りを重ねて来た経緯に照らして、
③についても気がかりだ。良いタイミングで、適切な質問を政府にぶつけて戴いた。
山尾議員ならでは。
さて、政府の回答はどのような内容になるか。
なお、ヒアリングでのそれぞれの説明資料が
公表されているので、必要な範囲で改めてコメントしよう。【高森明勅公式サイト】
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