先日、皇室経済法と「女性宮家」について取り上げた。
同法は内親王・女王が「独立の生計を営む」可能性を認めている
(第6条第3項第3号・第5号)。
それを“女性宮家”と呼ぶことも可能だろう。しかし、それはあくまでも“ご独身”のまま「独立の生計を営む」場合だ。
ところが、皇位の安定継承を巡るこれまでの議論の中で
対象になっている「女性宮家」は、内親王などが“ご結婚後”も
そのまま皇籍に留まり、ご自身が当主となられて
「独立の生計を営む」ケースだ。
事情が全く異なる。後者の意味での「女性宮家」を可能にするには、
皇室典範の改正が欠かせない。
何故なら、典範第12条には以下の規定があるからだ。「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、
皇族の身分を離れる」と。
この規定が維持されている限り、内親王などは
(国民男性などとの)ご結婚と共に「皇族の身分を離れる」
ことになる。又、第15条にも次のような規定がある。
「皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合
及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となる
ことがない」と。
第12条だけを改正しても、この条文がそのまま残っていたら、
どうなるか。内親王などを当主とする宮家が設けられても、
その配偶者たる国民男性は、「皇族」になることが出来ず、
「国民」に留まることになる。
その場合、新しく創設された女性宮家は、皇族と国民が
1つの世帯を構成するという、極めて不自然な形になってしまう
。よって、同条の改正も不可欠だ。
私が既に公表している叩き台としての改正案は以下の通り。第12条
女王は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、
皇族の身分を離れる。
但し、やむを得ない特別の事由があるときは、
皇室会議の議により、皇族の身分を離れない
ものとすることができる。
(これによって、内親王はご結婚後も皇籍に
留まられることになり、女王も「特別の事由があるとき」は、
皇籍に留まられる)第15条
皇族以外の者及びその子孫は、天皇及び皇族と
婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。
(これによって、国民は男女に関わりなく、
天皇・皇族とのご結婚を介して皇籍を取得できる)【高森明勅公式サイト】
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