日本会議の機関誌『日本の息吹』2月号に、
奇妙な記述を見掛けた(執筆者は宮田修氏)。「女性皇族が宮家の当主として結婚される場合、
皇室とは縁もゆかりもない男性が婿入りする可能性がある。
この男性をいきなり皇族として迎えることは国民には
強い拒否感があるだろう」と。しかし、畏れ多いが、今の皇后陛下も、上皇后陛下も、
あるいは皇嗣妃殿下も、率直に申してご結婚迄は
「皇室とは縁もゆかりもない」女性でいらっしゃった。
それらの方々が皇族になられた事実に、「強い拒否感」を
覚えた国民が、果たしてどのくらいいたのか。
むしろ多くの国民は、心からの祝意をもって、
新たな皇族のご誕生を慶(よろこ)んだのではなかったか。皇族が自らご結婚を決断され、皇室会議の同意を得た上で
(女性宮家創設に当たり、皇室典範を改正して当然、
同様の仕組みが導入される)、ご結婚という人生の一大事を
介して、そのお相手を皇族として皇室にお迎えする。
その“手順”において、女性宮家の当主の場合も何も違いはない
(だから勿論〔もちろん〕「いきなり」ではない!)。
にも拘(かかわ)らず、こちらのケースだけ、頭から
「強い拒否感がある」と決め付けるのは、
とても公平な感覚とは言えないだろう。以前、憲法学者の百地章氏が以下のように
述べておられたのを思い出す。「女性宮家の最大の問題点は、女性皇族との結婚を機に、
皇室とは無縁な民間人の青年が突然皇族になってしまう
ことです」(女性議員飛躍の会編『皇位継承 論点整理と提言』)と。だがそれは、男性皇族とのご結婚で皇室にお入りになった
上記の方々も、同じはず。なのに同じ文章の中で、
「民間ご出身の妃殿下でも5年、10年経(た)てば
立派な皇族になられます」(=だから、何の問題も無い)と、
言い切っておられた(但し、上から目線で妃殿下方を
評価しているようで、いささか非礼な印象を与える言い方だが)。
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