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『笹幸恵の軍事トリビア』#54
『数字と空気と知性
「日米開戦は不可能」とした
総力戦研究所の結論はなぜ黙殺されたのか』
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日米開戦の4か月前・昭和16年8月、
日本が対米戦に踏み切った場合の
シミュレーションを行い、
確実に負けるという結論
を出していた機関があった。
その名を「総力戦研究所」。
内閣総理大臣の管理下に置かれ、
30代の官僚、陸海軍人、民間人の
エリート30数名が属する研究機関だった。
そのシミュレーション結果は
近衛内閣に報告されるが、
完全に黙殺されてしまう。
そして日米は開戦。その後は、
原爆投下以外はすべて総力戦研究所の
シミュレーションどおりに進んでいった…
その経緯は猪瀬直樹著
『昭和16年夏の敗戦』にも詳しいが、
それではなぜ総力戦研究所の
研究結果は黙殺されてしまったのか?
そこにこそ、現在のコロナ禍で
起きていることに通じるものが
あるのではないか?
歴史に学ぶとか、戦争の反省をすべきだ
とか言うのなら、まずこういうところに
目を向けなければならない!