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小林よしのり
2020.12.22 07:43日々の出来事

担当氏への返答、読者へも透明性高く

これは「SPA!」担当氏の昨夜のメールに対する返答
です。遅くまでしっかり調べてくれてありがとう。
いつも12時過ぎに寝るので返答できなかった。
長文になるから、ブログで返答する。

ライジングコメント欄の読者の指摘で気がついたのだが、
最3章P27の記述は、読者の言う通り「抗体(液性免疫)
とT細胞(細胞性免疫)」に直して欲しい。
T細胞は自然免疫じゃない。今後の増刷分で修正して
欲しい。

P246における「ウイルスが細胞膜を持つ方向に進化して
いく可能性もあるだろう」というのは、わしの勝手な推測
ではない。
ウイルス学の最先端の学者の意見だ。
参考文献の中のどれかに載っているはずだが、いま
再読する暇はない。
とにかくわしの勝手な自説ではない。

既存のコロナウイルスはACE2が受容体になるとされて
いるが、新型コロナがシアル酸に対して吸着するか否か、
ウイルス干渉に影響を及ぼすかどうかはいまだ解明
されていない。
「新コロと入れ替わるようにインフルエンザが激減した」と
いうのは本当で、グラフで確認したから証明できる。
これは時期から見て、感染予防対策の効果ではない。
だとしたらウイルス干渉しか説明がつかない。

担当氏の質問で、先ごろメディアが「スウェーデン国王が
自国の緩和政策は失敗だったと認めた」と報じていると
しているが、これは誤報。
すでにスェーデン王室から「国王の発言は「非政治的」な
ものであり、政治批判ととってはならない」とコメントが出て
いる。
グスタフ国王はパンデミックの犠牲者に対する共感の言葉
として言ったものだが、これを世界中の集団免疫反対派
から意図的に捻じ曲げられた。
国王は立憲君主だから、政府の政策を批判したら憲法違反
になる。あり得ないことだ。

ひとつ断わっておくが、わしはスェーデンに成功して欲しい
と願っているが、「緩和策」は本来、「ファクターX」を持つ
日本でこそやるべきだったと思っている。
スウェーデンは本来、危険ではある。
よくやってくれたと感嘆する。
世界の感染症対策の未来に大きな貢献をしたと思っている。
失敗は移民の看護師が多い介護施設だけだった。
そこはテグネル氏も分かっている。

『コロナ論2』最終章もわしの勝手な説ではない。
ウイルスが「進化」に関与しているのはウイルス学の世界
では常識だ。
いろんな分野の専門家が、「そもそもウイルスとは何か?」
ということを知らないで、感染症対策をガタガタ言ってる
のが今の日本の惨状で、この最終章は科学だから認め
なければしょうがない。
進化の世界に、ヒューマニズム(人間中心主義)が通用
しないのは当たり前なのに、敬老精神を持ち出して批判
するのは、完全な馬鹿である。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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