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高森明勅
2020.11.7 06:00皇統問題

皇位の安定継承を巡る「消去法」

皇位の安定継承を目指して取り得る方策は、
純粋に「論理的」にだけ(つまり一旦、妥当性・実現可能性を除外して)
考えても、実はかなり限られている。次の3つ位だろうか。

①側室を復活し、非嫡出にも継承可能性を認める(明治以前の状態に)。
②国民の中に、旧宮家系以外にも多数いる、遥かに遠く皇室の男系の
血筋を受け継ぐ人々にも皆、皇位の継承資格を認める
(事実上、皇族でない一般国民にも広く継承資格)。
③明治以来の「男系男子」の縛りを見直す(双系継承へ)。

これらのうち、これからも末長く「男系」限定を維持しようとすれば、
(旧宮家案だけでは安定継承に繋〔つな〕がらないので)①②しか
方策は無いはずだ。

しかし、それらがいずれも、妥当性と実現可能性において、
およそ選択肢になり得ないのは、改めて指摘するまでもないだろう
(旧宮家案以上に無理で無茶)。

そうすると、実際に採用し得る方策は、自ずと決まって来るだろう。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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