10月28日、天皇陛下には、明治神宮にお出ましになった。
来る11月1日に明治神宮がご鎮座百年を迎えるのに先立って、
親しくご拝礼をなされた。
皇后陛下も随(したが)われた。
更に、上皇・上皇后両陛下、秋篠宮・同妃両殿下もご参拝になっている。
明治天皇と昭憲皇太后を祀(まつ)る明治神宮は勿論(もちろん)、
全国16社ある勅祭社(ちょくさいしゃ)の1つ。
ご鎮座90年に際しては、平成22年11月8日に上皇・上皇后両陛下が
ご参拝なされている。
その時の御製(ぎょせい)は以下の通り。新たなる
知識 世界に
求めつつ
国を築きし
御代(みよ)をしの(偲)びぬ上皇后陛下の御歌(みうた)も掲げる。
窓といふ
窓を開きて
四方(よも)の花
見させ給(たま)ひし
大御代(おおみよ)の春ーこの御歌は、明治天皇の次の御製(明治45年)を踏まえておられる。
たかどの(高殿)の
窓てふ窓を
あけさせて
四方の櫻(さくら)の
さか(盛)りをぞみるちなみに、ご鎮座50年は昭和45年だった。
同年11月5日に、昭和天皇と香淳皇后が同神宮にお参りになっている。
この時の昭和天皇の御製は以下の通り。おほぢ(祖父)のきみの
あつ(篤)き病(やまい)の
枕べに
母とはべ(侍)りし
おもひで(思い出)かなし昭和天皇は、死の床に臥(ふ)された明治天皇を、
ご自身が「枕べに」見舞われた時の悲しみを、遥かに回想しておられる
(昭和天皇は明治34年のお生まれ)。『昭和天皇実録』で確認すると、明治45年7月20日の宮内省による
明治天皇のご発病の発表以降、29日の崩御(ほうぎょ)に至る間、
頻繁にお見舞いに参内(さんだい)されていたことが分かる。
その中で、「母(貞明皇后))」とご一緒だったのは26日だけ
(この時は昭和天皇〔当時は皇孫〕と貞明皇后〔当時は皇太子妃〕のお2方のみ)。
よって、この御製は同日の「おもひで」をお詠(よ)みになったものだろう。【高森明勅公式サイト】
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