朝日新聞(10月27日付)に「立皇嗣の礼」特集記事。
その中に、安倍内閣当時、上皇陛下のご譲位に向けた
法整備の為の有識者会議
(天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議)
の座長代理を務められた御厨貴氏
(東京大学先端科学技術研究センターフェロー)の
談話が掲載されている。談話中に、秋篠宮殿下を巡る興味深い証言がある。
「上皇さまに関する議論が開始された当初は、
秋篠宮さまが『皇太子』と呼ばれる可能性もあった。
だが、途中で政府高官から、秋篠宮さま自身が
『皇太子の称号を望んでおらず、秋篠宮の名前も残したい意向だ』
という趣旨の説明があり、皇位継承順位第1位であることを示す
『皇嗣』という称号に落ち着いた。秋篠宮さまの真意は今もわからない」と。
これに類似した内容は、以前にも報じられたことがある。
しかし今回の場合は、有識者会議の座長代理として、
直接その情報に触れた人物の証言なので、独自の価値を持つ。私も特例法が制定された当時、次の天皇であることを踏まえた
「皇太弟」「皇太子(皇室典範では“皇子”とするが、歴史上は
“皇弟”その他も皇太子と称した例がある)」などの称号でなく、
一般的な「皇嗣」とされたことに、少し意外な印象を受けた。しかし、その後、秋篠宮殿下ご自身が将来、即位を辞退される
可能性に言及されたとの報道があり(朝日新聞、平成31年4月21日付)、
宮内庁もそれを否定したり訂正したり“しなかった
”経緯から、殿下のご「真意」をおよそ想像することができた。その意味では、近く内閣の判断と責任で行われる予定の
(これまで全く前例が無い)立皇嗣の礼は、
(秋篠宮殿下の次の天皇としてのご即位が既定の事実である
かのような印象を与えてしまうという点で)
ご本人のお気持ちからは、かけ離れた儀式ということになろう。【高森明勅公式サイト】
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