亡き母の「50日祭」の夜。
母の夢を見た。
久しぶりのこと。
私が玄関を入り、広い廊下を通って、角で曲がる。
洗面所とトイレの前を通り抜けて奥の居間に入る。
すると、入ってすぐ近くに、母が立っていた。
どこかに出掛ける時の少しおめかしした服装。
顔はふくよかで、ニッコリと明るく笑っている。
しかし残念ながら、私が何か話しかけようとしたところ迄しか、
覚えていない。
肝心な会話の場面が記憶からすっかり抜け落ちている。
たったそれだけのことが、とてつもなく大きな喪失感を抱かせる。彼岸花(ひがんばな)
咲ける間(あわい)の
道をゆく
行(ゆ)き極(きわ)まれば
母に会ふらし
(上皇后陛下、平成8年)【高森明勅公式サイト】
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