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高森明勅
2020.10.18 06:00皇統問題

「旧宮家案」は既に終わっていた?

安倍晋三氏は首相だった当時、政府の正式な見解として
「(旧宮家の皇籍離脱を指示した)GHQの決定を覆(くつがえ)すということは
全く考えていない」(平成31年3月20日、参院財政金融委員会)と明言。

菅義偉首相も内閣官房長官当時、「旧宮家案」に必要不可欠な
当事者への意向確認は、今後も「考えていない」旨、明確に答弁していた
(令和2年2月10日、衆院予算委員会)。

他にオマケ情報として、「政府高官」(それが誰かはおよそ察しがつく)が
同案について、「グロテスク」という感想を持っていることも報じられている
(産経新聞9月24日付)。

全て整合的。

これらによって判断すれば、旧宮家案は政府の検討対象から、
とっくに外されていたと見なければならない。
賢明…と言うより、同案が抱える難題の数々を考えると、当然の判断だろう。

それにしても、先日、自民党の男系派の議員グループが菅首相と会談した際、
上記の(オマケ情報はともかく)国会答弁を問題視した形跡が無いのは、不思議だ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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