靖国神社の社報『靖国』10月号が届いた。
元警視庁麹町警察署長の田代芳弘氏のご文章
「遥かなる英霊の思いとともに」が掲載されている。
感銘をもって拝読した。言うまでもなく、靖国神社は同警察署の管轄内にある。
文中、署長時代(平成25~26年)に体験された「終戦記念日」の
様子を書いておられるので、その部分だけを引用させて戴く。「8月15日は、麹町警察署にとっても、暑く、そして長い1日になります。
午前中は、管内の千鳥ヶ淵戦没者墓苑に各閣僚が参拝されます。
その後、正午には日本武道館で、天皇皇后両陛下をお迎えして、
政府主催の全国戦没者追悼式が執り行われます。いずれも失敗の許されない厳しい警備です。
さらに自分(が署長)のときは、韓国議員団が靖国神社で
抗議を行うと事前報道され、これを知った右翼団体などが神社周辺で
殺気立って待ち構えるという不穏な事態となりましたが、
靖国神社のご協力を得て、両者を接触させることなく不法行為の発生を
回避することができました。夕暮れ時になると、毎年、九段下交差点を靖国神社に反対する勢力の
デモ隊が、機動隊にガードされる形で通過します。
それに対し、カウンターとして抗議の意思表示をする方々も大勢
押し寄せてきます。九段下の警戒に当たる警視庁機動隊の若者たちは、
デモ隊とカウンターとの間に立ち身体を張って不法行為の抑止に
当たるのですが、その双方から罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられ、
まさに『忍』の警備です。
日本は言論と表現の自由を保障している法治国家であり、
若い機動隊員らは、主義や主張そのものを保護している訳ではなく、
法秩序と民主主義さらに我が国の国際的信用を護っているのです。自分は彼らのことを、靖国の英霊たちに、
『今に生きる若者たちも立派にこの国を護っております。
どうかご安心下さい』と報告させていただきました。
15日は、このように喧騒(けんそう)の中で1日が終わるので、
署長は参拝どころではありません。
自分は、翌16日、靖国神社のご厚意で昇殿(しょうでん)参拝を
させていただき、御祭神(ごさいじん)に対し無事に警備を終えたことを
ご報告し、そのご加護に感謝申し上げました」当時の、警備の最高責任者としてのご苦労を、察することができる。
【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ
前の記事へ天皇陛下、教育関係者にご配慮
ミス日本、日本教師塾次の記事へ