ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2020.9.30 09:29ゴー宣道場

本当に日本人は流されやすいのか???

10月11日(日)に開催される九州ゴー宣道場、
ゲストに施光恒氏をお招きして開催されます。

施氏の著書『本当に日本人は流されやすいのか』を読んだ。
これがむちゃくちゃ面白い!
なんとなーく漠然と感じていた日本人に対する諦め
(ひいては自己卑下)の輪郭がはっきりしてきて、
施氏が提示した、これから私たち日本人が目指すべき
社会のありように至極納得。

キーワードは「相互協調的自己観」と「ダブルバインド」。
前者は欧米の「相互独立的自己観」との比較で、
私たちが抱きがちな「ダメ日本人」を説明してみせ、
でも「ダメじゃない」ことを説明してくれる。
無意識のうちにあるものを明文化してくれるので、
大いに「気づき」があって刺激的。
欧米とは違う、「他社の視点の内面化」から
自律性を発揮する日本人。
これって実はすごいこと。
当の日本人はそれが当たり前すぎて、普段、意識もしない。
「他社の視点の内面化」は言語、家庭でのしつけ、
教育などによく表れている。
語りつがれる「怖い話」とか、国語の教科書に載っているような
物語の具体例も面白かったな。
グリム童話がいまいちピンとこなかった理由がわかった。

そして後者の「ダブルバインド」。
これは「失われた20年」、今の日本人が抱える閉塞感の
根源にあるものをえぐり取ってみせている。
自分自身も無意識のレベルで「戦後レジーム」の価値観に
どっぷり浸かっていたのかもしれない。
グローバリズムを懐疑的に見つつも、その価値観を
知らず知らずのうちに自分や他者に強制していた
のかもしれない。
玉木雄一郎議員が政策の方向性として打ち出した
「戦略的に閉じる」という考えを思い出しながら読んだ。
ひきこもりの増加の一端がここにあるというのも
新しい観点で、発見だった。

これらを踏まえた上で施氏が提示する処方せんは、
日本人はもっと土着的な考え方に依拠していいんだ、
と思わせてくれる。
とはいえ、単なる日本礼賛の本ではない。
「日本人ってすごいね!」と言ってもらえ、
自己満足に浸れるような薄っぺらい本ではない。
公の観点から目指すべき姿を提示してくれているから、
逆に希望が持てる読後感になっているのだ。
とはいえ、このコロナ禍で自粛警察やマスク警察が
出てくるのも、マスクが科学的根拠よりマナーとされ、
同調圧力が高まるのも、「相互協調的自己観」の
負の側面だろう。

私たち日本人は、日本人をもっとよく考察し、知り、
言語化していかなくてはならないと思う。
それが、今度の九州ゴー宣道場で議論される。
テーマは「『コロナ論』が炙り出したもの」。
だけど、炙り出したその先に何があるのか、
何をどうすべきなのか。
施氏のお話を伺いつつ、一緒に考えていきましょう!

「九州ゴー宣道場」
令和2年10月11日(日)14時~
テーマ「『コロナ論』が炙り出したもの」
ゲスト 施光恒氏
場所 福岡
応募締め切りは今日!!!
お申込みを忘れずに!

応募はこちらから。
https://www.gosen-dojo.com/application/


追記)
博多まんぷくフリーペーパー、ダウンロードしました。
行くところ吟味しようっと。
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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