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徒然草気まま読み#94
「宮中への憧れ」
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今回扱うのは、第二十三段。
一部を紹介すると…
衰へたる末の世とはいへど、猶九重の神さびたる有樣こそ、世づかずめでたきものなれ。
露臺(ろだい)、朝餉(あさがれい)、何殿(でん)、何門などは、いみじとも聞ゆべし。怪しの所にもありぬべき小蔀(こじとみ)、小板敷、高遣戸なども、めでたくこそ聞ゆれ。「陣に夜の設けせよ」といふこそいみじけれ。
兼好は自分が生きる時代を「衰え行く末世」と認識していた。
だが、そんな末世においても、神々しさを保ち、世俗化していない、素晴らしきものこそが宮中であると兼好は言う。
これは、今日の我々が皇居に対して思うところと共通するものがあるのではないだろうか?
兼好が率直に宮中への思いを記しているところが興味深い。