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高森明勅
2020.8.14 06:00政治

野党は甦るか?

安倍政権への支持率が下がっている。
しかし、新型コロナウイルスへの対策で、恐怖症の余り、社会経済の活動に
再びブレーキをかけることを望んで、不支持に回っている人々も少なくない
のではないか。

ならば、少し首を傾(かし)げる。

それにしても、安倍政権の功罪を考えると、これほど長期に亘(わた)って
存続して来た背景には、国民の信頼に足る野党が存在しない、
という残念な事実があった。

そこに現在の政治の最大の不幸がある、と言っても敢えて過言ではあるまい。
一瞬(だけ)、政権交代に繋がるかとも思わせた、小池百合子氏の「希望の党」は
たちまち“失望の党”に転落。

そこから弾き出された枝野幸夫氏が立ち上げた、立憲民主党にも注目が集まり、
私も一時は期待したものの、当初から懸念されていたミニチュア版「第2社会党」
への道を、まっしぐらに進んでしまった。

そうした中で、“永田町の論理”丸出しの立憲民主党と国民民主党の「合流」話を
冷ややかに眺めていたら、玉木雄一郎・山尾志桜里両議員らが「理念と政策」の
大切さを掲げて、合流を蹴飛ばした。

又々裏切られるかも知れないけれど、私にとっては興味深い展開だ。
決裂の底流にあるのは、憲法への姿勢だと睨(にら)んでいる。
立憲民主党は、「立憲」の看板を掲げながら、事実上の「護憲(=非立憲)」政党に
沈没してしまった。
それに抗して、憲法を“甦らせる”為に改憲を目指す、本気の「立憲」野党が登場すれば、
与党の緊張感も違ってくるだろう。
日本の政治シーンは刷新されるのではないか。

勿論、その為には、有権者の質も問われる。
我々の未来の為に、新しい希望の芽を大切に育てられるかどうか。
それは国民自身の責任に委ねられている。
9月ゴー宣道場のゲストは、今、岐路に立つ日本政治の将来を一身に担っておられる、
玉木雄一郎・山尾志桜里両議員。どんな討議になるか。
私も今から楽しみだ。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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