安倍政権への支持率が下がっている。
しかし、新型コロナウイルスへの対策で、恐怖症の余り、社会経済の活動に
再びブレーキをかけることを望んで、不支持に回っている人々も少なくない
のではないか。ならば、少し首を傾(かし)げる。
それにしても、安倍政権の功罪を考えると、これほど長期に亘(わた)って
存続して来た背景には、国民の信頼に足る野党が存在しない、
という残念な事実があった。そこに現在の政治の最大の不幸がある、と言っても敢えて過言ではあるまい。
一瞬(だけ)、政権交代に繋がるかとも思わせた、小池百合子氏の「希望の党」は
たちまち“失望の党”に転落。そこから弾き出された枝野幸夫氏が立ち上げた、立憲民主党にも注目が集まり、
私も一時は期待したものの、当初から懸念されていたミニチュア版「第2社会党」
への道を、まっしぐらに進んでしまった。そうした中で、“永田町の論理”丸出しの立憲民主党と国民民主党の「合流」話を
冷ややかに眺めていたら、玉木雄一郎・山尾志桜里両議員らが「理念と政策」の
大切さを掲げて、合流を蹴飛ばした。又々裏切られるかも知れないけれど、私にとっては興味深い展開だ。
決裂の底流にあるのは、憲法への姿勢だと睨(にら)んでいる。
立憲民主党は、「立憲」の看板を掲げながら、事実上の「護憲(=非立憲)」政党に
沈没してしまった。
それに抗して、憲法を“甦らせる”為に改憲を目指す、本気の「立憲」野党が登場すれば、
与党の緊張感も違ってくるだろう。
日本の政治シーンは刷新されるのではないか。勿論、その為には、有権者の質も問われる。
我々の未来の為に、新しい希望の芽を大切に育てられるかどうか。
それは国民自身の責任に委ねられている。
9月ゴー宣道場のゲストは、今、岐路に立つ日本政治の将来を一身に担っておられる、
玉木雄一郎・山尾志桜里両議員。どんな討議になるか。
私も今から楽しみだ。【高森明勅公式サイト】
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