7月18日、大阪の読売テレビへ。
26日放送の「そこまで言って委員会NP」の収録の為。
テーマは「右翼VS左翼」。
番組の終わり頃の「女系天皇に賛成か、反対か」というコーナーの
ゲストとして出演する(このコーナーと全体のテーマとの整合性が
もう一つよく分からないが)。私の基本的なメッセージは、側室不在で非嫡出の継承可能性が
排除された条件下では、「明治以来の『男系男子』の縛りを維持していては
皇位の安定継承は望み難い」というもの。
旧宮家系国民男性が新しく皇籍を取得するという方策の困難さを、
少し丁寧に説明した。他の出演者はジャーナリストの門田隆将氏、産経新聞の阿比留瑠比氏など。
コーナーの終わりで、司会の辛坊治郎氏は「半分冗談だけど、
側室を復活するしかない」、竹田恒泰氏は「旧宮家の赤ちゃんを皇室に
入れれば大丈夫」という趣旨の発言を、少し平常心を失った感じで、
それぞれ叫んでおられた。
編集でカットしないで、そのまま放送して欲しい。事前に娘から、新大阪駅に美味しい肉マン屋さんがあると教えられていた。
帰りに買おうと思っていたものの、行列の長さが半端じゃなかった。
新幹線の出発に間に合わなくなるので断念。
テレビ局が用意してくれた弁当を食べながら帰った。19日、日本教師塾。
テーマは「日本書紀・前編」。
W先生が、僅か60分で日本書紀30巻の全体を、「神代(かみよ)」から
持統天皇まで、漏らさずに解説された手際の良さに驚いた。
さぞや時間を掛けて入念な準備をされて来たに違いない。
改めて敬服した。
参加者にとって極めて有益な時間だったはずだ。私は、歴史を学ぶことの意義から話を始めて、「日本書紀」という
書名自体から読み取れる同書の基本姿勢を、「古事記」と比較して述べた
(基本となる対立軸が、書紀は内―外、自―他なのに対し、古事記は古―今)。
正格の「漢文」で書かれていながら、「和訓」での訓(よ)み方にこだわる
態度に見れられる、普遍志向と独自志向のバランスという、
現代にも通じる問題ついても、言及した。メインは、書紀の魅力を、そこに描かれた具体的な人物像から伝えよう、
と考えていた。神功皇后、海人(あま)の男狭磯(おさし)、河内馬飼首荒籠
(かわちの・うまいのおびと・あらこ)、調吉士伊企儺(つきのきし・いきな)
とその妻・大葉子(おおばこ)、大伴部博麻(おおともべの・はかま)
などを取り上げるつもりだった。しかし、それ以前の全体的な解説に多くの時間を費やしてしまった。
その為、僅かに捕鳥部万(ととりべの・よろず)の飼い犬に
触れただけに終わった。朝廷の軍勢に滅ぼされた物部守屋(もののべの・もりや)の家来だった
万の奮戦ぶりと、その忠犬の健気な姿を、日本書紀は特筆大書した。
そこに書紀編者の歴史への「志」を見ることができる。
何とか、それに触れることはできた。
会の終了後、懇親会。ここでは歓談の傍ら、参加者からの質問をどしどし受け付ける。
図らずも、倭国の形成から、邪馬台国を経て大和朝廷の登場に至る
歴史の流れについて、私の大まかな考え方を語ることになった。飛び入りで参加していた高森稽古照今塾受講者のS君は、
自分が奉仕団の団長を務めた平成30年の皇居勤労奉仕での、
上皇・上皇后両陛下のご会釈の際の感激的な場面を、嬉しそうに
披露していた。
更に二次会へ。
この一次会・二次会の時間の方が長かったのではないか。
楽しい一時(ひととき)だった。
次の教師塾は9月。
どんなモデル授業が聴けるか、今から楽しみだ。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
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