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泉美木蘭
2020.7.10 11:09

理性より論理より科学より「多分良さそう」の岡田晴恵教授

今日も岡田晴恵教授が「モーニングショー」で、
いつものように、アビガンを、と発言していた。
認可されていない薬を、「専門家」と見なされている人物が、
実際のデータを無視して「多分良さそう」という軽い感覚だけで
すすめるのは本当に危ないことで、やってはいけないことだと思う
のだが、岡田教授はそう感じないのだろうか。

私はもともと4月ごろにアビガンの名が報じられはじめた頃は、
「アビガンって日本の薬だし、効果があるならいいなあ」
と心のなかでは願っていた。
でも、それはただの個人の願望だ。
理性でも論理でもない「願望」という手前勝手な情感で、

毒物でもある「薬」の認可を突き上げるのは間違いだと思う。
しかも、テレビという影響力の強い場所で、
「コロナ恐怖」という、これまた情感を利用して言うのだから、
そこにサイエンスは一切存在していない。
岡田晴恵教授のやっていることは、単なる「呪い」だ。

きのうからコメント欄を含め、個人サイトのほうからも、
アビガンの研究に関する読み方を教えてくださった方がいた。
「人工呼吸器を必要としていなかった軽症患者830名のうち、
投与後42名が死亡し、致死率は5.1%。」ではなくて、
「酸素投与を必要としていなかった軽症患者830名のうち、
投与後42名が死亡し、致死率は5.1%。」ですね。

それから、薬剤師の方から、
藤田医科大学の報告書についてのポイントを非常に丁寧に教えて
いただいた。
そもそもアビガン以外にも、コロナに影響する可能性のある薬剤が
投与されている患者が多かったり、患者数のカウントが変だったり、
アビガン研究そのものに問題があり、やはりこれでは認可できなくて
当然だろうということだ。

それと、投薬後の致死率に関しては、
軽症の定義が厚労省の定義と違っていたり、患者の持つ合併症から、
致死率が引き上がったりする要因もあるということで、
アビガンに対する評価材料としては「?」がつく。

そして、もともと死に至る疾患を持っている人が、
「コロナ」一点で「コロナ死」と見なされている現状そのものにも
問題があるなとも思った。

この件については、詳しくはライジングにまとめて書きたい。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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