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泉美木蘭
2020.5.27 10:22

9月入学論は話がズレすぎ

テレ朝『モーニングショー』は、北九州で感染者が出たという
話題も
そこそこに、岡田教授の出番が8時台で終わり、
番組の大半は9月入学の話題に移り変わっていった。
今までの『モーニングショー』なら、
北九州で1時間引っ張っても
おかしくなかった。
もうコロナで視聴率維持は難しいと
いうことだろうか。

下村博文が出てきてやたらと9月入学を推していたけど、
先週のMX『モーニングCROSS』では、
各国の小中高校の「学年歴」が表示されて、
各国ばらばらであることが説明され、
「そもそも9月入学は国際基準ではない」と論じられていた。

私もなんとなく「外国=9月入学」と思い込んでいたから驚いた。
それで、ちょっとだけ調べてみたけれども、
留学情報サイトに世界の入学時期が掲載されていて、
シンガポールは1月、オーストラリア・ニュージーランドは2月、
韓国は3月・・・という具合に見事にばらばらだった。

「国際基準」というのは「ヨーロッパの主要国の基準」
ということのようだ。
要するにヨーロッパに対するコンプレックスだ。
しかもヨーロッパでも、すべての国が9月入学じゃないという。
さらに、うろ覚えだけど、アメリカなんかは6月くらいから、

ものすごく長期の夏休みがあるんじゃなかった?
各国まったく違うはず。

それから、下村博文が「4月入学だから留学生が日本に来ない」と
力説していたけど、そんな理由で来ないんだろうか。
だいたい、留学生の呼び込みのために日本を9月入学にするなんて、
完全に教育ビジネスのインバウンド狙い、という視点だし。
グローバリズムによってコロナ・パニックが起きたという話なのに、
どこまでトンチンカンなことを言っているのだろう。
しかも、コロナなんかのせいで、教育の機会を奪われた
日本の子供たちの話はなにも
関係なくなっていることに、
ものすごく腹が立った。

根本的に言っていることがおかしくて、不審な話でしかなかった。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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