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泉美木蘭
2020.5.12 11:37

「PCR検査せよ」と叫ぶ人に読んで欲しい記事

WHOのテドロス事務局長が「テスト、テスト、テスト!」
と言ったのは、マスコミがあの部分だけを切り取って
報道したために
誤解されているが、無症候でもなんでも
ひたすら検査しまくれという意味ではなかった
らしい。
「感染が確認された人の接触者で、COVID-19の症状を
示している場合においてのみ、検査を推奨」
というのがWHOの正式な見解だった。

日本では『WHO事務局長上級顧問』の人がよくテレビに出て
くるが、どうしてこの誤解を解かないんだろう。

それから、検査検査と言う人は、この記事を読んでみて
欲しいです。


「PCR検査せよ」と叫ぶ人に知って欲しい問題
ウイルス専門の西村秀一医師が現場から発信
https://toyokeizai.net/articles/-/349635

・そのときに陰性でも翌日に陽性になることもある。
検査を受けた人にとって「陰性」という結果の使いみちはない。

・いつまでもやってくれないという話が出ているが、
症状が悪化したらCTを撮ったり呼吸を見たりして肺炎の治療を
きちんとやっている。

・検体を採取する場所を増やしても、そこで検査できるわけでは
ない。
特に検査技師の問題は大きい。

・検査技師は根気と技術力の必要な仕事。キャラクターの問題もある。
長期間根気よくコツコツと取り組める人でないと向かない。
自信満々であったり乱暴な雑な人がやるとダメ。

・テレビのコメンテーターになっている医師たちが、
「私も研究で何百回となくやりましたが」とか、
「人をかき集めて訓練すればできますよ」などと言っているのを
聞いて、
正直、腹が立つ。
現場を知らない、完全に上から目線。
「検査技師なんて」という
一段下に見る感じも透けて見える。

自分の研究のために大した時間の制約なくやっている先生たちと
現場の技師の置かれている状況は違う。現場には次から次へと検体が
送られてきて時間に追われて、かつ、失敗が許されないという緊張を
強いられながら仕事している。

・全自動のPCR検査機で際限なく検査すれば、試薬や資材の不足が
生じる。
技師のミスによる偽陽性は減っても、感度が高いことによる偽陽性、
検体採取の難しさによる偽陰性の問題があり、
PCRの根本的な問題
はまったく解決しない。

「全自動」という言葉が独り歩きして、医師を含む一般の人たちが、
「無謬の検査」のような印象を持つことが怖い。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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