日本人にとって、仏教は最も身近な宗教の1つだろう。
その仏教は「女性」をどう考えているのか。
仏教学者で駒澤大学名誉教授の田上太秀氏は、その著『仏教と性差別―インド原典が語る』(東書選書)
の「はしがき」で以下のように述べておられた。「インドの大乗経典を中心に性差別の例をできるかぎり集めてみて驚いたことは、あまりに女性を蔑視、軽視、侮蔑、愚弄した喩(たと)えや物語、そして教えで埋め尽くされているということであった」と。具体的にはどうだったか。ここでは、一々その出典を挙げるのは省略し、同書の見出しからピックアップする。「女性は不浄である」「女性は性悪である」「女性は淫らである」
「女性は邪魔である」「女性は道具である」「女性は善不毛の身である」
「女性は売り物」「女性は罰しても改心しない」引用するだけでも心穏やかではない。
これらは、仏教の「インド原典」から抽出した女性観だ。
必ずしも、現代日本における仏教の考え方そのものでは、
勿論あるまい。
その点は、注意を要する。又、田上氏は、シャカの元々の教えでは
「本来、人として生まれたものに…差別はない」とされていたと言う
(『スッタニパータ』など)。
それにしても、少なくとも大乗仏教経典に見える記述は、
驚くべき女性蔑視以外の何ものでもないだろう。
その歴史的な影響は決して軽視できない。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ