小泉内閣当時、「皇室典範に関する有識者会議」の座長代理
(事実上の取り纏め役)だった元最高裁判事の園部逸夫氏と
安倍内閣の「天皇の公務等の負担軽減に関する有識者会議」の
同じく座長代理だった東大先端科学技術センター客員教授の
御厨貴氏が、対談。
御厨 2月10日の衆院予算委員会で、菅義偉官房長官が、
安定的な皇位の継承について、「今後の検討に備えて、
有識者への意見聴衆を行っている。
そして、4月の『立皇嗣の礼』のあとに具体的な論議を行う」
という考えを示しました(山尾志桜里議員の質問への答弁ー引用者)。
園部 安倍政権は、議論を再開するのですか。
御厨 いいえ。関係筋からは、「国会での菅官房長官の発言は、
実は『裏読み』、否定の意味なんだ」と言われました。
つまり菅官房長官は、有識者会議を招集する、とはひと言も
言っていない。
本格検討する、とのニュアンスこそ口にし、専門家の意見を
聞きはしても、それだけだと。
政権に近い人が言っていました。
「40年はやらないよ」と。
園部 いつから安倍政権は、手をつけないと決めたのだろうか。…
御厨 安倍首相の総裁任期は21年9月で終わりが近い。
皇室典範の改正など新しいことに手をつける気はないでしょう。
…どうも政権は、皇族の減少がギリギリに追い込まれるまで何もせず、
最後に「エイヤッ」とやってしまおうと思っている節がある。(「週刊朝日」3月6日号)
ここでの発言がどこまで真相に迫っているのか。
こともあろうに、国家と国民にとって重大無比な皇室の存続、
皇位の安定継承という至上課題を、果てしなく先送りして、
最後の最後に、出たとこ勝負で「エイヤッ」とやってしまおうと
しているなどとは信じたくない。しかし、問題をひたすら先送りしようと図っている気配は、
強く感じ取れる。
有志はその可能性を予め織り込んで、後世に悔いを遺(のこ)さない
対処の仕方を考えておく必要がある。【高森明勅公式サイト】
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