皇居勤労奉仕では忝ないことに、天皇陛下の他に
皇太子殿下のご会釈も賜るのが通例だった。私の体験を申せば、昭和時代には上皇陛下、平成の御代には
天皇陛下から、それぞれ「皇太子」としてご会釈を賜った。
まさに光栄の至り。ところが、令和の“皇太子”はご不在。
だから、私が昨年9月にご奉仕させて戴いた時も当然、
ご会釈は天皇陛下のみ。「皇嗣」でいらっしゃる秋篠宮殿下は、ご会釈を厳格に
“控えて”おられる。
それは、「皇太子」というお立場とご自身のお立場との“違い”を、
明確に自覚しておられるからに他ならないだろう。既に前にも触れたように、宮中祭祀において、自らご潔斎
(けっさい)の上、古式の装束を召され、殿内にて、天皇陛下と
ご一緒に、神事(しんじ)に“直接”携わられるのが、皇太子の
お務め。しかし、秋篠宮殿下の場合はそうではなく、
洋装(モーニングコート)にて、庭上でご家族や他の皇族方と
ご一緒に、普通に参列しておられる。
これも、皇太子と皇嗣との“一線”を深く弁えておられるが故だろう。【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/
BLOGブログ
前の記事へ皇居勤労奉仕は暫く中止すべきか
「立皇嗣の礼」は辞退できない次の記事へ